陰翳礼讃(16) 谷崎潤一郎

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今日は谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」その16を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回最終項にて、谷崎はイギリスのおばあさんたちが「近ごろの若ものときたら」という愚痴を言っていたことを紹介しているのですが、こういうことはじつは4000年前のエジプトのピラミッドが造られていた時代からずっと続いているそうなんです。真実かどうかは不明ですが、柳田国男が『木綿以前の事』という随筆で、イギリスの学者さんの言葉をこう翻訳して書いています。
 
 
  この頃の若い者は才智にまかせて、軽佻けいちょうの風をよろこび、古人の質実剛健なる流儀を、ないがしろにするのはなげかわしいことだ云々と、これと全然同じ事を四千年後の先輩もまだ言っているのである。
 
 
谷崎は「人間は年を取るに従い、何事に依らず今よりは昔の方がよかったと思い込むものであるらしい」と書きます。 
 
 
谷崎潤一郎が、メシの話しをするんですが、その製法や美味の秘訣が仔細に語られていて、その描写が凄くて、ほんとに美味しそうで……文章ってじつはこういうこともできるのかと思いました。
 
 
谷崎は、後半このように記します。
 
 
  われわれが既に失いつゝある陰翳の世界を、せめて文学の領域へでも呼び返してみたい。文学という殿堂ののきを深くし、壁を暗くし、見え過ぎるものを闇に押し込め、無用の室内装飾を剥ぎ取ってみたい。それも軒並みとは云わない、一軒ぐらいそう云う家があってもよかろう。
 
 
次回から谷崎の小説を読んでみようと思います。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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