樹を愛する心 豊島与志雄

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今日は豊島与志雄の「樹を愛する心」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
翻訳家の豊島与志雄が、庭の木について記しています。はじめはごく普通の随筆かと思ったんですけど、桃の木ってこんなに幻想的な存在なんだろうかと、読んでいてだんだん不思議に思えてきました。
 
 
そういえば、桃って古い文学の中ではいちばん神秘的な存在です。古事記では、地獄から生還をするときに、黄泉の追っ手(黄泉醜女)たちに、この桃を投げ与えて逃げおおせた。地獄から脱出するには、桃が必要なんです。桃が。日本の昔話では、桃から赤ん坊が産まれたりする。
 
 
豊島与志雄の、庭になった桃の味についての描写がみごとでした。本文こうです。
 
 
  街で売ってる水蜜桃ほど甘味はないが、それよりも遙にすぐれた新鮮さと甘酸味とがあった。
 
 
この前後の描写がみごとなんです。自分でごはんをつくったときの楽しさ以上に、自分で植えた木のくだものは、特別な味がするんだろうなと思いました。はい。絵画でいうと、青木繁みたいに美しい随筆です。関係無いですけど、青木繁と水木しげるってなんか似てますね、名前。
 
 
豊島与志雄は翻訳家で、オリジナルの文章を書くときは、とても写実的なんだなと、ちょっとした自然界をことこまかに描きだすのがすてきなんです。最後の数行を読んでいて、ああっ、と叫んでしまいました。さすがユーゴーの『レ・ミゼラブル』を全文翻訳した人だと思いました。
 
 

 
 
こちらのリンクから全文読めます。(縦書きブラウザの使い方はこちら
http://akarinohon.com/letters/kioaisuru_kokoro.html
(約10頁 / ロード時間約30秒)
iPadやノートPCなどに対応した、シンプル表示の縦書きテキスト版はこちら
 
 
 
 




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