妙な話 芥川龍之介

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今日は芥川龍之介の「妙な話」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
えーと、カズオイシグロの物語には、認識や記憶が五里霧中の状態となって、世界や主人公の行く末が判らなくなる、という展開が繰り返されているんです。日本近代文学にも、カズオイシグロに通底するような五里霧中になって記憶の迷路に迷い込む作品があるか、探してみました。
 
 
泉鏡花の「竜潭譚」は、躑躅の花の迷宮に迷い込む少年時代の記憶を描きだしている。
 
 
芥川龍之介の「藪の中」そして今回の「妙な話」というのが、カズオイシグロのえがく霧と、どこか似ている気がするんです。「藪の中」では竹林に閉ざされた世界で、事件の真相がまるで判らなくなる。
 
 
巨大な何かに包まれて、世界が異化されてゆく……というのが秀逸な物語のひとつの魅力のように思います。レムの「ソラリス」は、鴻大な海に包まれた男が描きだされる。「藪の中」では鬱蒼と繁る竹藪に、事件の真相が包まれていった。「死者の書」ではまっ黒い夜の深い闇に、つつまれる。そういえば、本の山に閉じ込められて出られなくなったという物語もありますね。
 
 
この「妙な話」では、雨に包まれた世界で謎の男が不可思議なことを告げる。虫の知らせのようなことがくり返し起こるんです。海外にいる夫の消息をなぜか知っている、赤帽をかぶった謎の男というのが何回も出てくるんです。その男は、マルセイユにも日本にも同時に居た。夢の中でしか出てこないような、あいまいな存在感の男だった……。
 
 

 
 
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 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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