痴人の愛(15〜16) 谷崎潤一郎

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今日は谷崎潤一郎の「痴人の愛」その(15〜16)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
鎌倉の海辺の家を借りて、長期旅行のような引越のような、奇妙な転居を行った譲治とナオミなんですけど、そこに悪そうな奴らも一緒に遊びに来るようになった。譲治は鎌倉から東京の仕事場へ電車で通うようになった。
 
 
この小説は、きほん男女2人の物語なんですけど、たまに描写される一人きりのシーンが印象的で、映画と一人旅のちょうど中間のような、不思議な気配があって良いんです。こんなのです。
 
 
  夏の日盛りの暑いさなかを一日会社で働いて、それから再び汽車に揺られて帰って来る身には、この海岸の夜の空気は何とも云えず柔かな、すがすがしい肌触りを覚えさせます。それは今夜に限ったことではありませんが、その晩はまた、日の暮れ方にさっと一遍、夕立があった後だったので、濡れた草葉や、露のしたたる松の枝から、しずかに上る水蒸気にも、こっそり忍び寄るようなしめやかな香が感ぜられました。
 
 
ある日、譲治は会社の仕事がいつもより早く終わって、別荘のような家に帰ってみると、妙なことに妻のナオミが居ない。
 
 
調べてみるとどうも、妻のナオミと熊谷が2人きりで、夫をほうっておいてデートしていたようである。しかも、新しい住み家はなぜか、その熊谷の隠れ家がある町のすぐ側だったという事実を知って、譲治は愕然とし隠れ家となっている別荘街にかけつけた。その夜の海辺ではナオミのはしゃいだ声と、夫・譲治のマゾヒズム性を笑いものにする声が聞こえてくるので、ありました……。
 
 
文中の、差別問題に関わる古い言葉に関して、wikipediaには、いろいろ書いていました。こちらをご覧ください。それからNHKのEテレでやっていた、黒人差別問題を取材した番組をだいぶ前に家で録画しておいたやつを見たんですけど、『キミの心の“ブラック・ピーター”』と、Googleで検索すると、いま現在も、その詳細が分かるようです。
 
 
物語はじつに奇妙な展開をしつづけ、自分たち2人だけだと思い込んでいた2つの住み家に、浜田、熊谷という、おかしな人物がつぎつぎに入りこんでくる。ナオミは10歳以上年上の夫に隠れて、いろんな密会現場を作っていて、3人の男と代わる代わる遊んでいたようなんですが、そのナオミの奔放な、なんと言うんでしょうか裏切りに、読んでいて魅了されました。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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