作家研究ノート 『文学古典の再認識』の執筆者の一人として 宮本百合子

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今日は宮本百合子の【作家研究ノート 『文学古典の再認識』の執筆者の一人として】を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
宮本百合子は、ゴーリキーとバルザックを文学古典として読み解いている。その数ページほどのメモ書きが今回の作品です。
 
 
本文とまったく関係無いんですけど、自分がいま興味があるのは、作者の実人生と作品にはどういう関係性があるのかというのに興味津々で、哲学者ウィトゲンシュタインの精巧な哲学書に対して、じっさいのウィトゲンシュタインの実人生が現代哲学者からは極端にかけ離れた生き方で、その落差はいったいなんなのか、調べるのが自分の趣味になっているんですけど、ウィトゲンシュタインはたとえば、中期の哲学に於いてこう宣言している。
 
 

「私は経験によって答えられる問いを議論から除外する。哲学の問題は経験によって解かれるものではない。哲学において論じられることに事実が役立つのは確かだが、哲学は事実そのものを論じるわけでは無い」 ウィトゲンシュタインの講義P50(講談社学術文庫)より
 
 
でもいっぽうで、彼が生きていれば出版を拒否したであろう、ウィトゲンシュタインの個人的な日記が、詳細に残っていたりする。そこでは経験によって得られた知と問いが、あたまに書き記されている。ウィトゲンシュタインの哲学は、言語と論理学に重きが置かれていて、その全体を見渡すと、哲学者たちが作り上げてきた虚構を、ウィトゲンシュタインが突き崩す、という運動が中心にあるように思われる。ウィトゲンシュタインは「哲学問題は、思考の限界を超えている。」あるいは「およそ語られうることは明晰に語られうる。そして、論じえないことについては、ひとは沈黙せねばならない。」と宣言している。論理学によって、旧来の学問の誤謬をあきらかにすることが、ウィトゲンシュタインの哲学なんだと、ぼくは思うんです。だからウィトゲンシュタインが哲学をするときには、純粋に哲学問題だけが取り上げられることになる。哲学を哲学しているのがウィトゲンシュタイン哲学だと思うんです。
 
 
このようなメタな学問をずっとやっているのであれば、ふつう、実際の生き方に於いてもメタな行動をとるはずで、騒々しい事態にたいして距離をとってしまって、エリート以外の人生を視野に入れず、温室育ちみたいな平凡な人生を送るはずなんです。ところがウィトゲンシュタインの実人生は、ハリウッド映画もびっくりするようなあり得ないほど激しく騒々しいところへ自ら飛びこんでいってその現場でも哲学書を書いている。ウィトゲンシュタインはヒトラーと同じ年に同じ学校に通っていて顔見知りだったという事実もあったりする。けれども日記にはそのことがほとんどまったく書かれていない。
 
 
ウィトゲンシュタインのじっさいの生き方と、ウィトゲンシュタインの書いた本は、どういう関係性があるんだろうか、というのを調べるのが、今いちばん興味があるんです。人と言葉はどういう関係なのかが、見えてくるんじゃないかと思えるんです。
 
 
たとえばドストエフスキーは、殺人者や加害者の心理を徹底的に描き続けたことで有名なんですが、しかしその実人生は、被害者遺族であって、また冤罪で死刑にされかけた経験さえある。ことばと実際っていったいどういう位置関係なんだろうと、思うんです。いま中途半端に発達したネット社会で、ことばがそこいら中にあふれているわけですけど、その言葉と、それを発した人との関係性がじつに意外だったことって新聞記事でもよくあるわけで、そういう意味でもウィトゲンシュタインの哲学書と日記と実人生を比較して見比べてゆくのが興味深いんです。
 
 
えーとそれで、本文のほうなんですが、宮本百合子は、小説も評論も書く人で、その宮本が、ゴーリキーの実人生と作品を読み解いています。短い文章なのでちょっと物足りないです。あと岸田國士や大杉栄がとくに、ゴーリキー文学を愛読しているんです。ゴーリキー読んでみようと思いました。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  
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