こども風土記 柳田國男(4)

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今日は柳田國男の「こども風土記」その4を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
  
今回はよく知っている遊びについて書いてるんですけど「かごめかごめ」という遊びなんですが、動画サイトにも、これで遊ぶ現代人の姿がいくつもありました。歌もwikipediaで公開されています。左下の再生ボタンの▲を押すと再生されます。
 
 

 
 
江戸時代の18世紀にはすでに存在していた、250年以上は歌われている童謡です。子どもの遊びには、ことばと踊りが、結びついていることが多い。ただこのわらべうたを、文章として読んでみると、なんだか変なんです。こういう歌詞です。
 

かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀と滑った 後ろの正面だあれ?
 
子どもの頃には、そういうことにこだわっていないところが良いんだなあと思いました。「夜明け」といえば「朝」しかあり得ないわけですが、「夜が終わりそうになっている、夜のはじまり」という時間帯は存在しないわけで、「夜明けの晩」ってでも、音として感じると、こっちのほうが記憶に残りやすそうです。「夜明けの朝」なんてわざわざ意識して歌いたくないというか。「夕焼けの晩」に遊びたくも無い感じがする。「夜明けの晩」ってすごい言葉が残っちゃったもんだと思いました。
 
 
言葉の正確さよりも、言葉が音色として存在してしまっている。あらためて見てみると、言葉は辞書そのものの機能を果たさないことが良くあるんだなと思いました。
 
 
柳田國男は、「かごめかごめ」という言葉の意味を、じつはもともとは「かがめ」「屈め」なんだと指摘しています。えっ、そうだったんだ、と思いました。
 
 
ただwikipediaを調べると1915年(大正4年)に刊行された「俚謡集拾遺」という本には「籠目かごめ、籠の中の鳥は」と書いてある。柳田國男はあれは「屈めかごめ」だと言ってるんですが、諸説あってとうぜんなんだなと思いました。言葉も遊びで使ってゆくときには、語呂あわせとか、ダジャレとか「改作」というものが生じるわけなんだなと。柳田國男はこう書いています。本文こうです。
 
「かごめ」は身をかがめよ、すなわちしゃがめしゃがめということであった。誰が改作したか、それを鳥のかもめのように解して籠の中の鳥といい、籠だからいつ出るかと問いの形をとり、夜明けの晩などというありうべからざるはぐらかしの語を使って、一ぺんにすわってしまうのである。
 
なんだか、言葉を覚えはじめるころの記憶が甦るようでした。意味なんてあとからついてくるのであって、先に声とか動きとか、存在感とか表情とか、そっちのほうが始まりなんじゃないかと思いました。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  
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