日本人の自然観 寺田寅彦

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今日は寺田寅彦の「日本人の自然観」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。


最近、田んぼや畑を見るだけで、これに魅了されます。良い田んぼの写真をとりたいと思って、日本の何処に棚田があるのかとか調べたりしました。重機の無い時代に、掘った大地を杵で叩いて硬くして、溜池を作った、という歴史が残されている村があったりして、じっさいにその溜池を見たら、手仕事のすごさというのを感じました。
 
 
北海道の自然って、ぼくはまったく知らないのですが、それでもこの前貧乏人のぼくはめったに買えないトマトを久しぶりに100円で買って食べたんですが、それが北海道産で、あれだけ雪が多い冬を越えて夏にこういう美味いトマトが出来るのかとショックを受け、自分がなんだか10年ぶりに牢屋から出てきた人間のように、もともとあったものに驚くことが多いなと思いました。寺田寅彦の本を読むと、当然のことを納得のいくように見てゆけるよう、思考のフィルターを洗い直してくれているように思えました。寺田寅彦は述べます。
 
 

    人類もあらゆる植物や動物と同様に長い長い歳月の間に自然のふところにはぐくまれてその環境に適応するように育て上げられて来たもの
 
 
かっこいいこと言いますよねえ。人びとが溜池や道や聚落を作ってきたように、自然が人の暮らしと精神を創ってきた、ということでしょうか。寺田寅彦は、地震や火山というものが日本の大地を形作ったのだと説きます。鳥や昆虫が植物の種を運び、動植物界の社会がどう作られているかを読み解き、また西洋では人類が自然界を征服することが目的となるが、日本ではまず第一に自然の慈母の慈愛が深く、また自然界のもたらす過酷さも日本人はどの国の人よりも畏れ、日本では自然に順応することこそが大切であると述べています。それから、建てるべきで無い建造物を現代日本人が建てることに、寺田寅彦は強い批判を行っていて、まさに地震大国の日本では原発は0にすべきだと言うことの、普遍的指摘であると思えました。
 
 
それにしても情報の少ない時代に寺田寅彦がここまで正確な記述をできた、というのはそうとうのことだと思うんですが。戦前の東大恐るべしですね。日本で起きる地震の話とか、なんで昭和初期にここまで完全な考察ができたんでしょうか。寺田寅彦は「天災は忘れた頃にやってくる」という名言をのこした知識人ですが、当時の最新地震学を人びとに判りやすく説いていて、人びとと自然界との関係性の全体を説いています。
 
 


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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  
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