城 フランツ・カフカ

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今日はフランツ・カフカの大長編「城」原田義人訳を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
これはカフカの一番長いやつです。七百枚くらいある大長編なんですが、凄いというかなんというか未完のまま第20章で終わります。読んでも読んでも結末にたどり着きません。Kというのが主人公なんですが、測量技師として雇われたはずのKは、そのような仕事がどこにも無いという事実を伝えられます。とにかくKは城に入って城主と話をしようとするんですが、なぜか城の中に入れない。城に辿り着けない、というのがとても奇妙なんです。序盤はけっこう目標がある展開で引き込まれるのですが、中盤以降物語の筋を追うのが苦痛になってくる恐ろしい作品です。頂上の無いエベレストといった印象です。迷宮の最高峰か何かだと思います。


これはなにか、一人旅を延々続けているような気分になるのはぼくだけでしょうか。カフカの「城」は決められた筋を追わざるをえない映画では味わえない、現実世界に近しい「困ったなあ」という実感がぞんぶんに封じこめられているように思います。


ぼくはむかし学校に通う電車の中でこれをよく読んでいました。「やりたい仕事ができないんじゃないか」とか「やれる仕事がないんじゃないか」というような不安があって、将来の自分の仕事が何がなんだか予測できないという時に読んだので面白かったです。途中から読み方を変えて飛ばし読みしてでたらめに楽しんでしまったんですが、律儀に読み込もうとしたらそれこそ遭難が必須になってくる難読書だと思います。序盤はしかし、かなり魅惑的な展開になっていて読み応えがあります。巨大に完成されたシステムの中で、一人の男が苦悩する、という物語です。
 



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 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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