変身 フランツ・カフカ

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今日はフランツ・カフカの「変身」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
これはカフカの一番有名な中編小説です。たぶん読んだことがある人が多いと思います。これは目覚めたら虫になってしまっていて、それまでの暮らしがまるで出来なくなった、という異様な話なんですが、普遍的な心情を描いた物語だと思うんです。それまでは元気に動けていたのに、ベッドから起き上がれなくなった、という経験は、たぶん全ての人がして居るんだと思います。それから、それまでは普通に暮らせていたのに、急にある事情によって異なる暮らしになってしまった、ということは全ての人に共通する出来事でもあるんだと思います。
 
 
ぼくは半年前と五年前に病で動けなくなったことがありますが、そういうときは、まさに普通の日々をおくれなくなった。今は健康ですが、生涯の数十年から百年という期間のうちで、誰もがこの「動けなくなる」という経験を、必ずする。全ての人に共通する苦を、誰一人経験するはずの無い「虫になってしまった」という書き方で隠喩の表現をする。たとえとして表現する、この「隠喩」というのが文化の中心にあるんだ、と思います。
 
 
勇ましい、ということを五月人形の鎧兜で表現する。隠喩表現が上手く機能しているものほど、文化として長生きしてきているんだと思います。豊穣ということの隠喩として、神道の祭りが行われて、それは「田の神様」に感謝するという形式になっています。ほんとは、牛に感謝していたり、農耕機械に感謝していたり、庄屋に感謝していたり、奥さんに感謝していたり、父に感謝していたりするけど、直接「誰々に感謝している」とは述べないで、「田の神様に感謝している」と隠喩表現をする。感謝の対象を、たとえ、で表現している。
 
 
それぞれ、直接に感謝する相手はバラバラなんだけど、みんな何かに感謝している。それを奥さんに感謝するという直接表現をするんでなしに、より大きな対象で表現したものになったりする。
 
 
カフカは、死や欠落ということについて、それを「ある朝、グレゴール・ザムザが気がかりな夢から目ざめたとき、自分がベッドの上で一匹の巨大な毒虫に変ってしまっているのに気づいた」と表現しました。その隠喩は数多の人々に伝わる物語として長い間文学の世界に息づいています。
 
 
3章まであり、150ページほどの中編小説です。
 
 


こちらのリンクから全文読めます。(縦書きブラウザの使い方はこちら
http://akarinohon.com/center/henshin1.html
(約150頁 / ロード時間約30秒)
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