少数と多数 エンマ・ゴルドマン

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今日はエマ・ゴールドマンの「少数と多数」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
このエンマ(エマ)・ゴルドマン(ゴールドマン)という方は、おっかない知識人なのであります。アナーキストの女性で、暗殺とか殺人とかを実際に試みたという、恐ろしい人なんです。顔写真があるので、紹介しておきます。
 
 
 
 
こう、純粋に強そうですよね。腕相撲をしても柔道をしても言い争いをしても、ぼくは負けると思います。いやたいていの人が負けるんじゃ無いかと思います。まさに鬼婆という感じがするんであります。この方は、アメリカでもっとも危険な人物として一度国外追放をされています。暴力主義に影響を受けやすい方にはとくに、注意深く読んでいただきたいのですが、エマの周囲には常に恐ろしい犠牲が横たわっています。エマの言説に感銘を受けた伊藤野枝は、明らかにエマの思想が引き金となって、のちに自死したファシストに殺害されています。ですから、正義や暴力や反政府主義というものに影響を受けやすい方はこれを読むことを避けるか、十分に注意してお読みください。
 
 
エンマ・ゴールドマンの略歴を紹介しておきます。情報ソースはwikipediaなどからです。エンマは19世紀から20世紀にかけて活動したアナーキストであり女性解放運動の先駆者です。日本では伊藤野枝が彼女の社会運動を強く支持していました。エンマは1869年にリトアニアに生まれ、ロシアはペテルブルグで育ち、父の「女は学問をするべからず」という言いつけに反抗して、学に志し、1886年15歳で姉とアメリカへ移住します。紡績工場で女工をしながら、まさにプロレタリアートの苦難を肌で感じていった。そしてアメリカに渡ったちょうどその年の1886年5月1日から4日にかけて起きたシカゴでの労働ストライキとデモとそして暴動「ヘイマーケット事件」に多大な興味を持つのであります。この暴動では、4名ものアナーキストが死刑判決を受けるのですが、のちに「メーデー(May Day)」として、世界中で労働者の権利を謳う運動が行われるようになったのです。エマはその時期にアナーキスト(無政府主義者)と関わりを持ち、ヘイマーケット事件から3年後の20歳にしてすでに革命家としてニューヨークで演説をしています。そして事件から6年後にデモ反対者の暗殺を試みて失敗に終わり、投獄されます。いま、反体制運動と言うことを真面目にしておられる若い方ほど、この自身の暴力性というものに対して注意深くしていなければならないと思われます。以降エマは非暴力不服従ということをその思想の根幹に置き、ファシズムという暴力機関に対しても強い批判を行ってゆきます。エマは、太く長く生きた反政府主義者なのです。
 
 
なにか新しいことをはじめたその年に起きたことは、どうしても忘れがたい記憶として残ると思うのです。ぼくの場合は、阪神大震災と東日本大震災がちょうど自分自身の生活の節目に当て嵌まります。同世代の方はそういう人がとても多いと思います。
 
 
この「少数と多数」という評論においてエマは、多数派の愚かしさを説いています。みなが白いと言えば黒いものも白いと思いこむ人びとは、いっけん社会に積極的に参加しているようで居て、思考が閉鎖している。頭の中が鎖国状態になっている。現代で言うと市場や国家がもたらす圧倒的多数派の仕組みに依存する方のことです。パチンコ依存症とか、市場への過剰な依存とか。ぼくにもそういう依存の傾向があるのですが。そういう呪われた群衆の中の1人になるな、とエマは説きます。
 
 
エマは多数派の者と距離を置いてひきこもり、世間とほとんど接触しないような少数者であってもむしろ社会に対して開かれている場合がある、ということを説いているのであります。ところで、この評論でエマが批判したり賞賛したりしたT・S・エリオットウィリアム・バトラー・イェイツラルフ・ワルド・エマーソンイプセンは、みな長く読み継がれている文化人ばかりですね。エマの未来予測や慧眼というのになんだか驚かされます。
 
 
エマはどのような運動・仕事・遊び・生活においても「量」の膨大さよりも「質」の高さや豊かさを大切にしようと説き、このように述べます。
 
 

健全なる社会状態の幸福と真理とは唯だ賢明なる少数者の妥協せざる熱心と勇気と決断によつて実現せられるのである。

 
 
 


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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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