仔牛 新美南吉

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今日は新美南吉の「仔牛」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これはごく短い、1ページの詩です。最近、牛が好きでしょうがないんです。この前も書いたんですが、また書いてみます。禅宗の話で「十牛図」というのがあるんですよ。ぼくはこの話を聞いてすっかりはまってしまいました。「牛はどこだ!」といって探し歩いてそれを見つけ、それで元の暮らしに帰るというただそれだけの話しなんですが、なんだか体の記憶を呼び覚ますような普遍性のある話なんですよ。くわしくは、wikipediaの十牛図とか、「十牛図を歩む/上田閑照」を読んでみてください。
 
 
それで、誰がどのように牛を好きなのか調べてみたんですが、夏目漱石が送った手紙に、「牛」という言葉が出てきます。漱石は芥川龍之介や久米正雄に対して、「勉強をしているのですね。何かを書いているのですか」と述べてから、こう書いています。
 
  
僕も其積であなた方の将来を見てゐます。
どうぞ偉くなつて下さい。
然し無暗にあせつては不可(いけ)ません。
たゞ牛のやうに図々しく進んで行くのが大事です。
 
 
それで、次に漱石はこう書いています。
 
牛になる事はどうしても必要です。
吾々はとかく馬になりたがるが、牛には中々なりきれないです。

これ、すごくかっこいい手紙なので長文を引用しておきます。漱石は若い人に対してこう書いています。
 
 
あせっては不可ません。
頭を悪くしては不可ません。
根気づくでお出でなさい。
世の中は根気の前に頭を下げる事を知っていますが、
火花の前には一瞬の記憶しか与えて呉れません。
うんうん死ぬ迄押すのです。
それ丈です。
決して相手を拵(こし)らへてそれを押しちゃ不可ません。
相手はいくらでも後から後からと出てきます。
そうして我々を悩ませます。
牛は超然として押して行くのです。
何を押すかと聞くなら申します。
人間を押すのです。
文士を押すのではありません。
 
 
他にも高村光太郎の詩「牛」を聞くと、農耕の思想が描かれているようで重厚だと思いました。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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