あとの祭り 山之口貘

今日は山之口貘の「あとの祭り」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは作家の日常が記されている随筆なんですけど、まるで漱石の『門』のように不可思議な事態が書いてある。山之口貘は深夜に原稿を書く。その陰翳の世界が描きだされています。時刻も時代も職業も、世間から隔絶したところがあるようで、奇妙に繋がっている。詩人の随筆はみごとだ……と思いました。……。
 
 

 
 
こちらのリンクから全文読めます。(縦書きブラウザの使い方はこちら
https://akarinohon.com/letters/atono_matsuri.html
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白痴(11) ドストエフスキー

今日はフョードル・ドストエフスキーの「白痴」その11を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回、ドストエフスキーが話題にしているのは、レールモントフの『マスカラード 仮面舞踏会』という戯曲なんです。これ日本語でも読めるらしいです。
 
 
ドストエフスキーのおもしろさは、理屈っぽくって説得力もあるのに、展開はすごく神秘的だ、というのがあると思うんです。
 
 
ふつうの物語では、こういうようにしたらこうなるはず、という理屈が積み重ねられてから、物事を進めるために、ちょっと神がかりな展開がある、と思うんです。ところがドストエフスキーは問答無用ですごい事態が起きる。そのあとに説得力のある思考が構築されてゆくという……破綻した事態の、逆転した配置が格好いいんだと思いました。
 
 
ガーニャはナスターシャとの結婚がムリだと判っているはずなのに、いまだに金目当ての恥ずべき結婚をしようと目論んでこれを公言している……。 危険なのはそこに愛がちっとも無いことなんです。フィアンセになるはずだった相手から直接「卑劣な人間だ」って言われてるのに、まだ結婚しようと考えるというのは……どういうことなんでしょうか。言い分がすこぶるおかしい。ガーニャは、ナスターシャが「謀叛でも起こそうものなら、さっそくおっぽり出して、金は僕のほうへまきあげてしまいますよ。僕は人の笑い者にはなりたくないのです」と言う。
 
 
ガーニャは自分がなぜ卑劣だと言われてしまうのか、それを理解していないんです。わたしはなぜ卑劣なのか? ということを、ついさっき殴ってしまった相手に質問して、その答えを求めてしまう。卑劣と言うよりも卑屈なガーニャと主人公ムイシュキンの問答が続きます。いろいろ話してみて、主人公はガーニャのことを卑劣なんじゃ無くって、弱い男で、子どもっぽいんだと判断します。なるほどと思いました。主人公ムイシュキンがみごとに諭すんですけど、あー自分もガーニャみたいな間違ったことを考えちゃうことが、あるよなあと思いました。
 
 
ガーニャはナスターシャと結婚して、大金をふんだくって賢く使い込み大儲けしてやろうと思っているんですけど、さらにこう発言します。「金が何よりも醜悪で汚らわしいのは人間に才能さえも与えるからです」いろんな人を恨んでいるガーニャなんですけど、金にまで恨みを持っているのか、と呆れかえりました。

 

 
 
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与謝野晶子詩歌集(2)

今日は「与謝野晶子詩歌集」その2を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
近代の作家は男が多いんですけど、その中で与謝野晶子と樋口一葉だけが、日本の近代文学者としての存在感があるように思います。

かみ五尺ときなば水にやはらかき少女をとめごころは秘めて放たじ 
 
与謝野晶子は初期には美しく謎めいた歌が多く、後期は理性的な詩を多く残した、と思いました。当時にしてはものすごい長生きの詩人で、そこも与謝野晶子の魅力のうちの一つだと思います。
 
  

 
 
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雪消え近く 小川未明

今日は小川未明の「雪消え近く」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは『小学四年生』という雑誌に発表された童話だそうです。春を待つ子どもたちの物語で、ごく普通の冬の家庭が描かれていて、はじめは子ども向けに書いているんですけど、終盤の一頁がずいぶん純文学的なんです。
 
 
ふっと出てくる人物の描写が印象に残りました。
 
 

 
 
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穂孕期 宮沢賢治

今日は宮沢賢治の「穂孕期」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
明けましておめでとうございます。2019年の元旦です。穂孕ほばらみ、というのは稲穂の穂がふくらんでくることを言います。
 
 
これは賢治の風景スケッチです。春と修羅(第三集)の中の、一九二八年七月二四日に記された後期の詩です。春と修羅(第一集)は、こちらから全文お読みいただけます。今年もよろしくお願いいたします。
 
 


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白痴(10) ドストエフスキー

今日はフョードル・ドストエフスキーの「白痴」その10を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
悪人と悪人の闘争、というのが始まりそうな予感がする。ガーニャの怖さと、ロゴージンの迫力はだいぶ差があるようで、毒ガエルとヘビの闘いを見ているような感じなんです。ロゴージンは大金持ちだし派手なんです。手下を何人も連れてガーニャのところへやって来る。

ガーニャはまるでからだじゅうがしびれたように、閾の上にじっと無言のまま立って十人か十二人の総勢がパルフェン・ロゴージンの後にしたがって続々と広間にくりこんで来るのを眺めていた。

ドストエフスキーは凶悪犯と同じところで暮らしたこともあるし、賭博場に入りびたっていたこともあるし、とにかくヘイトフルな現場での悪漢との付きあいというのが経験として色濃いわけで、そういう作家の経験に近いところを描きだす描写がやっぱり、リアリティーがあって面白いように思うんです。「もはや失うべき何物も持たない死刑囚の大胆さがこもっていた」という文章なんて、そういう経験が無かったら出てこないように思うんです。
 
 
ロゴージンの迫力に気圧されて、卑怯者と罵られたガーニャはすくみ上がってしまうんですけれども、ふしぎなことにそこにヒロインのナスターシャが現れると、こんどはロゴージンが真っ青になってしまう。

ナスターシャ・フィリッポヴナもまた、不安に満ちた好奇心をいだいて客を眺めていた。

他人の家に何人も押しかけて入りこむのはダメだと思うんですけど……ロゴージンの言い分はこうです。

ほんの三か月前、カルタのかけでおれの親父の金を二百ルーブルまき上げたじゃねいか。そのため老爺おやじは死んだんだ。それを知らねえなんてぬかしやがって。

あとこういう暴言を、直接いいます。

貴様って野郎はルーブル銀貨三枚もポケットから出して見せりゃ、ワシーリェフスキイまで四つんばいになって歩く野郎だ。貴様ってそれくらいな野郎だ! 貴様の根性ってそんなもんだ!

ロゴージンは、おそろしい大金持ちなんです。

金はふんだんにあるんだから、貴様も、貴様のからだもすっかり買ってやらあ……その気にさえなりゃ、貴様ら束にして買ってやらあ!

このセリフが不吉なんですよ。ナスターシャもここに居るわけで、彼女は「嘲弄するような、高慢なまなざしで、彼の顔色をうかが」っている。ロゴージンは大金をやるからオレの所に来いと言って札束を投げるんです。この無茶苦茶な申し出に、ナスターシャは激しく笑い始める。
 
 
さらに、ナスターシャによって家を汚されたと思い込んでいる女性までこの現場に居て、さかんに叫びはじめる。そこいら中が壊れた人間関係なんです。
 
 
ここにまったく無関係なムイシュキン公爵が間に割って入って、全員の身代わりになって、仲裁を試みる。けっかガーニャに殴られてしまう。その場に居たそこら中の人が、公爵に「抱きついて接吻し」て「公爵の周囲に詰めかけ」る。ロゴージンもナスターシャも、ムイシュキン公爵の態度と考え方が、好きになるんです。
 
 
いろんな悪態と醜態があって、そうしてみんな、嵐のようにガーニャの家から去って行った。……次回に続きます。
 
 

 
 
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【書籍購入】ヘミングウェイのパリ・ガイド

今日もネットで買える本を紹介します。
 
 
Amazonプライム会員は月額約400円くらいで、映画や音楽や、それから文学作品を数十冊以上、これらが0円で読み放題、見放題、聴き放題なんです。
 
 
この無料コンテンツの中で、ウッディアレンの2011年の映画『ミッドナイト・イン・パリ』が0円で見放題になってたんですけど、もう何回見たかわからないくらい繰り返し見ちゃったんです。ここでパリに集まった芸術家たちが描きだされるんですけど、なんともおもしろい。フィッツジェラルドやヘミングウェイがあらわれて、みんなが深夜のパリで話し込む、という内容なんです。
 
 
 
 
『ヘミングウェイのパリ・ガイド』という本も読んでみました。冒頭にヘミングウェイの言葉が記されています。

もし若いときに
パリに住む幸福に巡り会えば、
後の人生をどこで過ごそうとも、
パリは君とともにある。
なぜならパリは移動する祝祭だから。
『移動祝祭日』より

写真の数々がまた良いんです。パリのイスラム文化に関するエッセーが1ページだけあって、興味深かったです。

 
  
 
えーと、それからあと、ブラウザで文学作品を読書している時に、オススメのJAZZはこちらです。Amazonプライム会員なら0円です……。



 
 




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