源氏物語 薄雲

 
 
今日は源氏物語の薄雲を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
この帖では、源氏と明石の君との間にできた娘を、どう育てるのかと言うことが大きな問題になっていて、現代社会で生じている問題と密接な関わりを持った物語であると思います。もともとの田舎で、子どもを育てることがどうしても出来ない、という状況で、子を想う母がどのように考えるのかということが描かれています。苦しいけれども子を優先する。現実には親の生活を優先しないと立ち行かない場合が多いと思うのですが、この物語では、明石の君が重大な決定をしています。


子どものことを考えると言うことは、未来の社会や個人の成長を、克明に想像するということで、これってものすごく難しいことですよね。実際に未来がどうなるかなんて、誰にも判らない。でも大人たちがなにかを決意することが子どもにとって大きな転機になりうる。


子どもが、皇族の宮廷社会に入ってゆくので母と別れる、ということは現代にはあり得ないことだと思いますが。それでも子どものために環境を変えるんだ、という大人たちの活動は、現代社会にも共通している問題だと思います。方法や考え方は違っていても、子どものためを思ってやってんだという人々の、さまざまな思いが込められている帖です。


この「薄雲」では、藤壺中宮(藤壺の女院)と源氏との別れが描かれていて、また源氏、藤壺、冷泉帝の三者には誰にも言えない大きな秘密が隠されて居るんです。じつは冷泉帝の父は、桐壺帝ではなく……。


この謎と離別とが、源氏物語54帖の中の、ひとつの大きな山場となっています。源氏にとって藤壺は最愛の人であったわけで、その悲しみをにび色の雲に投影して歌を詠んでいます。


これほど悲しいことがあった年ならば、桜も墨染めに咲いてくれと願った中宮(=藤壷)のことを思い出し、源氏はこのようにつぶやきます。
「庭の草花は残らず咲きましたよ。今年のような恐ろしい年でも、秋を忘れずに咲くのが哀れです」

  
前回のあらすじ(wikipediaより)
 
光源氏31歳秋の話。二条東院が完成し、源氏は西の対に花散里を移らせた。東の対には明石の御方を迎えるつもりだったが、明石入道は大堰川近くの山荘を修理して娘をそこへ住まわせることに決めた。ちょうど源氏が建てた嵯峨野の御堂も近くにあり、明石の御方は父入道を一人明石に残して姫君や母尼君と共に上京する。しかし源氏はなかなか大堰を訪れず、明石の御方は琴を爪弾き無聊を紛らわせていた。源氏は紫の上に気を遣いながらも、御堂の様子を見に行くとの口実でようやく大堰を来訪。明石の御方と3年ぶりの再会を喜び合い、また初めて見る娘の愛らしさに感嘆した。姫君を将来の后がねと考える源氏は、その出自の低さを補うためにも、一日も早く姫君を都へ迎えたいと考える。源氏から姫君を養女として育ててほしいと相談された紫の上は、元々子供好きなこともあり快く承諾するが、姫君と引き離される明石の御方の心を思いやって悩む源氏だった。
 
 
 
 



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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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