天を怖れよ 小川未明

 
今日は小川未明の「天を怖れよ」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
これは児童文学作家の小川未明が、どうぶつのことを考えた短いエッセーです。あまりにも情熱的に書いているので、ちょっと引いてしまうところがあるかもしれませんが、ぼくは最後の記述にとても納得がいったんです。


小川未明は動物に対する崇敬の念を抱き、動物文学を絶賛しています。今ぼくがパッと思い浮かべられる動物文学は高村光太郎の詩「牛」です。それから韓国のドキュメンタリー映画で「牛の鈴音」というのがあってこれはとても見応えのある映画でした。これ、高村光太郎の詩「牛」のとおりのことが実際に展開しています。高村光太郎は本当のことを見事に言葉で切り取っているんだなあと感心します。


「牛の鈴音」ってこういう映画です。「牛ってじっさいどんなふうに生きてんの」ということに興味がある方は、いちどレンタル屋で借りてみて下さい。面白いですよ。


農薬を使わないで、牛一頭だけで農業をやる老夫婦が主人公のドキュメンタリー映画です。インタビュアーから「どうして農薬を使わないんですか?」と問われて、チェ・ウォンギュンじいさんは「草たべてる牛が困っちゃうからダメだ」と言うんですよ。老翁にとって牛が主人公になっている。牛がたいせつだという生活をしてきたから、人からたいせつにされる穀物ができる。


つい最近、北半球の4分の1のミツバチが行方不明になったことがあるんですが、これは自然に逆らった科学が農業を支配した結果で、まさに「天を怖れないままだと、まずいんじゃないのか」という事態です。仮に自然と強く結びつく農の人々が政治の主体となっていて、科学がそれに従属していれば、原発の崩壊で農業と畜産が立ち行かなくなる事態などあり得なかった。


自然界や人体というのは人間の脳みそが作っているんでは無くて、天が創っている。小川未明はこのエッセーで「人間は天を怖れた」と書いています。天とは自然が齎すものすべて、のことなんだと思います。僕はどうも机の前にばかり座っていて、足や手を使って生きることが少ないので、なんだか「足や手」を使っている話に興味を持つんです。




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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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