父 横光利一

 

今日は横光利一の「父」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。横光利一は福島県に生まれた作家です。二十代中頃に川端康成らと『文芸時代』を創刊して新感覚派と呼ばれた作家です。代表作に「上海」や「蠅」「機械」「旅愁」などがあります。今後紹介してゆきたいと思います。


「文学を読むのなら、横光利一は外せないよ」というようなことが「本を紹介する本」によく書いてあるんですよ。僕は今回はじめて横光利一を読んでいます。いちど中国へ行く時に図書館で横光利一の「上海」を借りて読もうと試みて挫折してしまい、それ以来読んでいませんでした。小説に心酔するのが上手い人なら何時でも何でも読めるんだと思うんですが。僕はどうも物語小説にのめりこめないたちなので大長編を読む時は準備運動が必要になります。大作家を読む時はまずその人の随筆か短編から、というのが良いんじゃないかと思います。この横光利一の「父」は、とても短い小説で物語に入りこみやすかったです。


僕は電車で一人旅をする時は、いつも本屋で「これだ」という文庫本を買い、旅をしながら読むことにしています。電車で旅をしながら本を読む、というのはほんとになんとも言えない体験が出来ます。旅でしか読めない本ってやっぱりあると思うんですよ。メモをしながら読まないと構造が理解できない哲学書なんてぜったい机の上でしか読めないですし、その逆に、風景と呼応する本ってあると思うんですよ。あまりにも自分から遠く高尚なものを旅先で読もうとすると読めないんです。かといって、いつも手にとっている読みやすいだけの本だと旅を楽しめない。ちょうどいいぞ、というのがあるんです。


本はその読む環境や読み手の気分と確実に呼応していて「今こういう気分じゃないんだ」という本を読んでもピンと来ないんですが、ちょうどビタッと感覚が呼応する時に読む本は格別だと思います。


この掌編「父」は、オチが唐突で印象深いです。普通のことが書いてあるのに、ギョッとしました。主人公は何歳くらいの子どもなんでしょうか。

 


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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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