レ・ミゼラブル(10) ユーゴー

今日はビクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル 第二部 コゼット』
『第二編 軍艦オリオン』を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。

これまでのあらすじを、wikipediaから引用します。
1815年10月のある日、75歳になったディーニュのミリエル司教の司教館を、ひとりの男が訪れる。男の名はジャン・ヴァルジャン。貧困に耐え切れず、たった1本のパンを盗んだ罪でトゥーロンの徒刑場で19年も服役していた。行く先々で冷遇された彼を、司教は暖かく迎え入れる。しかし、その夜、大切にしていた銀の食器をヴァルジャンに盗まれてしまう。翌朝、彼を捕らえた憲兵に対して司教は「食器は私が与えたもの」だと告げて彼を放免させたうえに、二本の銀の燭台をも彼に差し出す。それまで人間不信と憎悪の塊であったヴァルジャンの魂は司教の信念に打ち砕かれる。迷いあぐねているうちに、サヴォワの少年プティ・ジェルヴェ(Petit-Gervais)の持っていた銀貨40スーを結果的に奪ってしまったことを司教に懺悔し、正直な人間として生きていくことを誓う。

1819年、ヴァルジャンはモントルイユ=シュル=メールで『マドレーヌ』と名乗り、黒いガラス玉および模造宝石の産業を興して成功をおさめていた。さらに、その善良な人柄と言動が人々に高く評価され、この街の市長になっていた。彼の営む工場では、1年ほど前からひとりの女性が働いていた。彼女の名前はファンティーヌ。パリから故郷のこの街に戻った彼女は、3歳になる娘をモンフェルメイユのテナルディエ夫妻に預け、女工として働いていた。

しかし、それから4年後の1823年1月、売春婦に身を落としたファンティーヌは、あるいざこざがきっかけでヴァルジャンに救われる。病に倒れた彼女の窮状を調べた彼は、彼女の娘コゼットを連れて帰ることを約束する。実は、テナルディエは「コゼットの養育費」と称し、様々な理由をつけてはファンティーヌから金を請求していた。それが今では100フランの借金となって、彼女の肩に重くのしかかっていた。

だが、モンフェルメイユへ行こうとした矢先、ヴァルジャンは、自分と間違えられて逮捕された男シャンマティユーのことを私服警官ジャヴェールから聞かされる。葛藤の末、シャンマティユーを救うことを優先し、自身の正体を世間に公表する。結果、プティ・ジェルヴェから金40スーを盗んだ罪でジャヴェールに逮捕される。

以上が、第一部のあらすじであります。

前回、フランス軍とイギリス軍の戦いに巻きこまれた教会が無人となり、やがて燃やされ、キリスト像だけが残されました。
フランス軍が破れ、ポンメルシーという名の将校が、テナルディエという金入れと時計を盗んだ男に、偶然助けられます。テナルディエというのは「コゼットの養育費」と称してファンティーヌから金をなんどもせびったあの男です。

ぼくはじつはですね、世界史というのを高校1年生のころ教えられて以来、もう授業は永遠に無かったわけで、世界史の詳細をほとんどまったく知らないまま育ったのです。ぼくの頃の受験というと日本史をやったら世界史はやらないで良いという仕組みなのでした。それで、ユーゴーを調べながらちょっとだけ世界史のことを調べてみたんですが、これってイギリスとフランスが戦った第2次100年戦争(1689年~1815年)やフランス革命(1789年7月14日のバスティーユ襲撃に始まり、ナポレオン・ボナパルトによる1799年11月9日のブリュメール18日のクーデターで終焉)やその後の時代のことが描かれているんですが、フランスとイギリスの間にある城というと、ランス川河口にあるモンサンミッシェル城が有名です。世界遺産になっていて、1度は訪れてみたい修道院です。このモンサンミッシェルは、100年戦争の時代には、イギリス軍に抵抗するための、フランス軍の要塞になっていたわけです。

モンサンミッシェル城  (c)photo by b3rny

モンサンミッシェル城  (c)photo by b3rny



この海のピラミッドとも評されるモンサンミッシェルと、文学者のユゴーに関係があるというのをご存じでしょうか。ユゴーはモンサンミッシェルのすぐそばにあるジャージー島・ガンジー島に17年間亡命していたんですが。じつは、ユゴーがですね、モーパッサンらと共にモンサンミッシェル修道院の保護・補修の運動を起こす以前の70年のあいだ、このモンサンミッシェル修道院というのが、監獄になっていたそうなのです。ぼくは知りませんでした。フランス革命後に、モンサンミッシェルは反体制派の司教さんなどを閉じ込める牢獄として使われていたんだそうです。このモンサンミッシェルの囚人とされた人々はなんと1万2千人ほども居たそうで、囚人に食事を与えるための、大きなつるべなども残されています。1000年ほどを修道院として使われていたわけなのですが、70年間は監獄だった。「この監獄に変えられてしまった世界を、元の修道院へもどそう!」という運動をやったのが、レミゼラブルの著者ユーゴーなのです。ユーゴーは、「死刑囚最後の日」なども書いていて、囚人や人権の問題につねに取り組んでいた文学者なんです。



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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  
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