文鳥 夏目漱石

 
今日は夏目漱石の「文鳥」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ぼくはこの私小説かエッセーかという作品が好きなのですが。夏目漱石はふつうの状態の、平熱の心情を違和感無く描写するのがすごく上手いんだなあと改めて思いました。それでいて、文鳥の「籠」というのが幻想絵画のように印象深く描写されているんです。鳥の籠です。籠。
 
 
文鳥は生後すぐに早世してしまいやすい鳥で、長く生きても8年の寿命だそうです。スズメは3年くらいの寿命なんですが。しかし、これいったい誰が文鳥を死なせてしまったのか、というとお手伝いさんが悪いんじゃなくて、漱石自身がいけなかったような気がしないでも無いですよ。漱石は小説でも随筆でも、悪いことがあったということそのものを正確に書いていて、そこがなにかとても迫力があるように思います。ふつうなら自分にとって都合の悪いことは言わない場合が多いのですが、長く読み継がれている作家の場合は、作家本人にとって都合の悪いことを丁寧に書いているように思います。露悪趣味とはまた全然ちがって、フェアな視線というのを感じます。漱石は幼少時代から親族の死というのに何度も立ち会ってきていて、亡くなった幼子に対する恐怖心を「夢十夜」の第三夜に書いていたりもしています。
 
 
夏目漱石は、「見る」ということがたいへんに好きなようです。まるで猫のように文鳥をじっくりと見ている。
 
 


以下の「シンプル表示の縦書きテキスト」をご利用ください。(縦書きブラウザの使い方はこちら
https://akarinohon.com/migration/buncho.html
(約40頁 / ロード時間約30秒)
モバイル対応テキスト版はこちら






明かりの本は新サイトに移行しました!

URLの登録変更をよろしくお願いいたします。



明かりの本 新サイトURL

https://akarinohon.com

(Windowsでも、なめらかな縦書き表示になるように改善しました!)

appleのmacやタブレットやスマートフォンなど、これまで縦書き表示がむずかしかった端末でも、ほぼ99%縦書き表示に対応し、よみやすいページ構成を実現しました。ぜひ新しいサイトで読書をお楽しみください。











 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

縦書き文庫の装画
装画をクリックするか、ここから全文を読んでください。 (使い方はこちら) (無料オーディオブックの解説)
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約10秒)
 
『ゲーテ詩集』全文を読むにはこちらをクリックしてください













top page ・本屋map ・図書館link ★おすすめ本 ★書籍&グッズ購入