レ・ミゼラブル(20) ユーゴー

 
今日はビクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル 第三部 マリユス』
『第四編 ABCの友』を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
前回、ジルノルマン爺さんの孫が登場しました。この子はみなから哀れな子と呼ばれていたのです。それは、ナポレオンの部下で「ノアールの無頼漢」と呼ばれる男の息子だったからです。この幼子が、第三部の主人公、少年のマリユスなのであります。一説によると、マリユスは作者ユーゴーがモデルなのだそうです。ユーゴーがどういう少年だったのかは不明なんですが。マリユスはおじいちゃん子で、父親がいることは知っては居るのですが、父はいつも不在で、何をしているのかさえ幼いマリユスには判らなかった。マリユスは幼い頃から古典の勉強をするよう躾けられていた。一八二七年に、マリユスは十七歳となり、ヴェルノンへ行き、そこではじめて父と出会うこととなっていた。しかし父は闘病の末、既に亡くなっていた。息子は父の最期の顔を見つめた。亡くなった父の遺品は、一通の手紙のみであった。それはテナルディエという男が、父の窮地を救ったという記録であった。テナルディエは、幼子コゼットをこき使っていたかの悪い男なのです。
 
 
ナポレオンボナパルトの下に大佐であった、父ポンメルシー。マリユスは父の死後に、父の足跡をたどり、彼がどのように生きてきたかを知るのでした。彼は、生前は会うことさえ無かった父を崇拝しはじめ、またフランスの暗黒の中にうずもれていた歴史の、その中で生きた人々の輝きを知ってゆき「実に素晴らしいことだ」とマリユスは内心に叫ぶのです。今は無き父の面影を追い、マリユスは父に心を重ねるのです。なぜ生前に、その父の偉大さを知れなかったのか、とマリユスは歎きます。彼は今まで憎んでいたものの中に、人間的な、犯すべからざる意義を明らかに見た。また、彼はナポレオンへの憎悪も改めつつあった。マリユス少年は一人、旅をして父の墓の前に花を供え、男泣きします。
 
 
マリユスの育ての親である祖父は、このマリユス少年の豹変ぶりに驚き、怒りはじめるのであります。祖父は「奴らは皆悪党だった。人殺しだ。正当な国王にそむき、謀反をくわだてた。お前の親父さんもその中に居たかどうか、私は知らんが」というのです。祖父は息子を否定し、孫マリユスは、その父を尊敬した。おじいさんは「出て行け」と告げるのであります。マリユスは一人、当てどのない旅へ出るのです。
 
 


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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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