ゲーテ詩集(29) 生田春月訳

今日は生田春月訳のゲーテ詩集(29)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ゲーテは、荒れ地というか怖い自然のことを「魔王の娘」として描いています。自然に起きる、現実に起きる事柄を、神秘主義的なまなざしで描いているように思えました。
 
 
今回も、ゲーテの詩を翻訳した生田春月の詩をちょっと紹介します。
 
 
破船者の歌   生田春月

あらしの海におけるより
なほ無惨なる難破せし
この人生の小舟にも
つめる宝は多かりき。
もし風もなく波もなく
めざす港に着きぬれば、
すて売りすべき積荷をば
破れしづみしそれゆゑに
宝といふか知らねども。
この積荷ゆゑあら海に
船出をしたるわが身には、
こは命にも換えがたき
宝なりしをあなあはれ、
今は求めんあともなし。
 
 
ゲーテの詩では、自然からの使者というのが記されています。人魚のような女が水の中から出てきてこう語りかけます。
 
 
どうしてあなたはわたしの眷族を
人間の智慧で、人間の奸計(たくらみ)で
陸に誘つてお殺しになるんです?
ああ、海の底で魚がどんなにか
楽しく暮してゐるかお知りになつたなら
あなたもその儘下りてお出でになつて
はじめて穏かな身におなりでせうに
 
 
ゲーテは自然の怖さと豊穣さを描きます。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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