ファウスト(15) ゲーテ

今日はゲーテの「ファウスト」その(15)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
前回、悪魔と関わりながらですね、無垢な少女マルガレーテと恋愛をすることに大きな危機感を抱いていた主人公ファウストは、いったんマルガレーテのもとから引き下がって、田舎暮らしをしていました。そこに登場するのが悪魔メフィストフェレスです。
 
 
メフィストフェレスはこう告げます。「娘はあなたが逃げたと思っている。実際半分逃げ掛かっているのですね。」
 
 
幸せにしてやりたいと思うと、やはり悪魔と共にある自分は、愛おしい者に近づきがたくなってくる。悪魔は、少女との恋愛をつづけるように説得し、それからこう告げます。

「あなたなんぞはもう大ぶ悪魔じみて来ていなさる。
絶望のために狼狽している悪魔程
不似合なものは、先ず世界にありますまいぜ。」
 
 
主人公ファウストは、いったん平常心を取り戻すために、田舎の自然の風景に溶け込んでいって、心を安らげるんですよ。ここがさすがに「詩劇」と言われるだけあって、まさに詩でした。ゲーテ詩集を思いだしました。

 
 




 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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