ダス・ゲマイネ 太宰治

今日は太宰治の「ダス・ゲマイネ」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
「当時、私には一日一日が晩年であった」という書き出しではじまるこの小説は、佐野次郎という大学生が出逢った馬場という奇妙な男と、虚実の入りまじった芸術談義をしてゆく話です。馬場は芸大の音楽科で学んでいるのだが……。彼らは恋愛や死や芸術書の出版について夢想します。心情の微妙な変化というのをあざやかに書いていて、人間関係の描写が上手いなあと思いました。
 
 
恋愛の話がなんだか奇妙に面白いんです。主人公は金のかかる女に惚れていたけど、びんぼうだからどうにもならない。しょうがないので彼女に似ていて金のかからない少女に手を出すという、わけのわからない関係性が描かれているんです。
 
 
海賊とか、芸術の剽窃者という意味の「Pirates」という雑誌の創刊を目指して2人は意気投合します。馬場という男は虚偽ばっかり言って人を集めてゆくんですが、これが人が増えるごとに、だんだんとおかしな話になってゆく。
 
 
装画をやる絵描きが入ってきて、諍いが起きる。ついには太宰治という小説家までもが登場してきて、ますますもめてゆく。作中の太宰治はなぜだか丸坊主で、無精髭というおっかない風貌なんです。その太宰治が語る小説論は、ほんの数ページなんですけど興味深い内容です。くわしくは本文を読んでみてください。たった1日で解散した幻の文藝グループの、その解散後の感情描写が秀逸だと思いました。
 
 
最後の列車事故の描写は、渡辺温のことを考えながら記したのではないかなと自分は想像しました。
 
 

 
 
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 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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