十円札 芥川龍之介

今日は芥川龍之介の「十円札」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ナポレオンとはまったく縁もゆかりも無いびんぼう人が、ナポレオンの英雄的行動のような心情で、じつにしょうもないことをやってゆくというお話しなんですが、この芥川龍之介の、主人公への感情移入というか、その描き方がじつに粋だなと思いました。
 
 
主人公がこう、ちょっとした偽善的態度をとる先輩を、尊敬するという描写があって、ほんの少しの描写なのに面白いんだよなあと思いました。
 
 
金が無い、金が無いと言っていたら、その先輩が十円札を貸してくれた。これが書かれたのは大正13年(1924年)7月で、芥川龍之介が32才の頃なんですが、現在の価格で言うと十円札は1万5千円くらいの値段になります。主人公は赤面して思わず「いりません」と言ってしまう。先輩は当惑してしまって、主人公は尊敬している相手にわるいことしたなあと思う。なるべくこう、先輩の偽善的な行為に報いたいんだけど、ほんとに金がないので、いったん金を使ってしまうと返すあてが無くなってしまう。困ってしまって数日後に返すよりほか無いなという結論を出す。しかし、もう一つの方法について考えて……続きは本文をご覧ください。自分もびんぼうなので共感して読めました。
 
 
ほんとにしょうもないところにすごくこだわっている主人公なんですが、その男が大いに満足を感じる瞬間を得るんですよ。それが、晩飯に出された塩焼きの鮎ただ一匹のことで、この描写でうわーリアルと思いました。たしかにびんぼうで困ってるときに、ぐうぜん旬のもんが食えたら、信じがたく美味いですし。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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