神曲 浄火(2) ダンテ

今日はダンテの「神曲 浄火篇」第二曲を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
地獄篇が終わって、煉獄篇(浄化篇)がはじまったんですが、てっきり現世の描写がなされるのかと思ったらそうじゃ無くて、やや戸惑っています。おもに死者たちと天使が登場します。ただ、場所はエルサレムからガンジス川上空にかけての夜明けなどが描写されており、ダンテは煉獄の島というところに居ます。
 
 
wikipediaにはこう書かれていて、天国にゆけるほどではないが、地獄にゆくほどの悪を成さなかった死者たちの辿りつく場所なんだそうです。それで、現実に生きている人々とどういう関連性があるかというと、現世で陥りやすい罪についてが描写されてゆきます。七つの罪源(七つの大罪)というのがあるのですが、これの克服と浄化を目指すのがこの煉獄のようです。
 
 
今回から、地獄篇ではあまり見受けられなかった、詩の言葉と自然界の描写というのが挿入されています。ダンテはまずこう記すんです。

 
  見よ、朝(あした)近きとき、わたつみの床の上西の方低きところに、濃き霧の中より火星の紅くかゞやくごとく
 わが目に見えし一の光(あゝ我再びこれをみるをえんことを)海を傳ひていと疾く來れり、げにいかなる羽といふとも斯許(かくばかり)早きはあらじ
われわが導者に問はんとて、しばらく目をこれより離し、後再びこれをみれば今はいよいよ燦(あざや)かにかついよいよく大いなりき
 
 
それから、唯一の生者であるダンテと、死者との抱擁という場面があり、しかし肉体から放たれた死者に触れることは出来ない、という描写が良かったです。地獄とは異なり、煉獄の人々には歌を歌う自由がある。しかし老翁カト(マルクス・ポルキウス・カト・ウティケンシス)は、このような状況で歌をうたうことを叱責し、それを懈怠であると指摘します。人々は煉獄の山を登りはじめるのでした。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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北海道に就いての印象 有島武郎

今日は有島武郎の「北海道に就いての印象」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは随筆です。1900年ごろの北海道のことを書いています。今から100年以上前の話なので、かなり現代の北海道と違うんだろうと思うんですが、移民を数多くうけいれるという風土は昔も今も変わっていないように思います。100年前に、半年間も雪に埋もれながらどういうように生活していたのか、室内の状況をもうすこし具体的に知りたいんですが、季節の変化における心情の描写が秀逸で、興味深い随筆だと思いました。
 
 
有島武郎はこう記します。
 
 
  空が雪を止度なく降らす時などは、心の腐るような気持になることがないではないけれど、一度春が訪れ出すと、その素晴らしい変化は今までの退屈を補い尽してなお余りがある。

  北海道の冬となると徹底的に冬だ。凡ての生命が不可能の少し手前まで追いこめられる程の冬だ。それが春に変ると一時に春になる。草のなかった処に青い草が生える。花のなかった処にあらん限りの花が開く。人は言葉通りに新たに甦って来る。



 
 
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神曲 浄火(1) ダンテ

今日はダンテの「神曲 浄火篇」第一曲を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ついに神曲地獄篇が終わり、今回から煉獄篇がはじまります。山川訳では煉獄のことを「浄化」と記しています。ダンテは、キリスト教の聖書を中心に読解していって、中間の世界というのに着目し、地獄篇のはじめのほうで記された「limbo」や「煉獄」を描いてゆきました。罪があるとも無いとも言えない状態の幼子たちがゆく、地獄でも天国でも無いリンボ(ここにはキリスト教の洗礼を受けていないため天国にはゆかない善的な存在の詩人たちも居ました)や、今回から読んでゆく「天国に今すぐゆけるわけでもないが、地獄に落ちたわけでもない」世界が描かれています。
 
 
ダンテは地獄を書き終えて、次は煉獄を書くとなって、そうとう意識が変わったんだろうと思うんですけど、この浄化篇第一曲では、自然描写が美しく、詩的な表現が記されていて、じつに読んでいて気持ちが良いと思いました。とにかく舟や海の描写が良いんです。
 
 
この前、哲学者ヴェーユが語った、奴隷の世界と地獄のごとき現実についての記述を読んでいて、苦しい生活を送らざるをえないものに必要なのは、美であり詩をもつことなんだということが書いてあって、すごく納得したんですが、ダンテの物語も、悲惨な地獄を抜けでた瞬間にもうれつに書いているのは、美しい詩についてなんですよ。しかもそれが、ごく普通に存在している風景へのまなざしなんです。ちょっと興奮して読んでしまってあれなんですけれども。
 
 

 
 
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脱出と回帰 中井正一

今日は中井正一の「脱出と回帰」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
中井正一が、古事記のことを書いています。あの、天の岩戸に閉じこもってしまった天照大神に出てきてもらうために、閉じた岩を動かした天手力男神アメノウズメのことについて書いています。
 
 
行き詰まりや困窮からどのように脱するのかと言うことが、モチーフを変えて繰りかえし語られます。ちょっと理解しかねることも書いているんですけど、興味深い随筆です。調子の悪い時期は、なにか自分が心地よいと思う遊びを見つけることに価値がある、というふうに読めました。物語の中心的なモチーフとして、「遊びをせんとや生れけむ」というセリフが大河ドラマの平清盛で繰りかえし用いられていて印象的だと思ったんですが、これ梁塵秘抄に記されている、幼子の言葉を歌にしたものだったんですね。
 
 
中井正一は、ピアノがどう生まれたのかを空想するんですよ。原始人が弓矢を持って狩りに出かけ、洞の中でこの弓の弦をはじいてみた。その時に美しい音が鳴った。この体験から、弦をはじく音楽が始まり、やがてピアノに変化していった。
 
  

 
 
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神曲 地獄(34) ダンテ

今日はダンテの「神曲 地獄篇」第三十四曲を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ついに神曲地獄篇の最終話です。地獄の帝王というのが登場します。最後の地獄は、恩を忘れて裏切りを行った者たちが氷づけにされているのですが。ダンテは、最大の悪の中心にあるものを、いったいどのように描くのか、非常に興味があったのですが、これはほんとに圧倒されました。
 
 
山川訳がまたすばらしくて、ダンテはこの悪の中央に居るものを、「昔姿美しかりし者」とまず記すんですよ。これにしびれました。聖書には、この悪魔の帝王ルシファーについて、このような表記があります。
 
 
「あなたは全きものの典型であった。知恵に満ち、美の極みであった。」
新改訳聖書 エゼキエル書28章
 
 
これが悪そのものの中心に居座ったものへの記述なんです。ダンテはこの悪の帝王をこう描きます。
 
 
彼今の醜きに應じて昔美しくしかもその造主にむかひて眉を上げし事あらば一切の禍ひ彼よりいづるも故なきにあらず
 
 
そうして、容貌はあたかも阿修羅のごとく三つの顔で、朱を注いだように赤い。山川訳はこうです。


我その頭に三の顏あるを見るにおよびてげに驚けることいかばかりぞや、一は前にありて赤く
殘る二は左右の肩の正中の上にてこれと連り、かつ三ともに鶏冠あるところにて合へり
 
 
ユダプルートカシウス・ロンギヌス(カッシオ)がこの悪魔の王に噛み砕かれています。師ウェルギリウスは、こう告げます。我々は悪のすべてのさまをついに見た。もはや地獄を去る時だ。
 
 
「されど夜はまた來れり、我等すでにすべてのものを見たればいざゆかん」
 
 
それから師によって、地獄からの脱出方法が示されます。とてつもなく巨大な魔王の、その毛むくじゃらの脇腹にしがみついて登ってゆき地獄を抜けるというのです。
 
 
哲学者のウィトゲンシュタインは、自身の哲学「論理哲学論考」について、穴にはまり込んで動けなくなってしまったものへのハシゴとしてこれを用意したのだと述べ、私の哲学について理解をし終えたものは、それを登りきったあとでそのハシゴを取り払ってしまわなければならない、と述べました。その哲学について理解し終えたものは、この哲学自体をも無意味なものだったとして捨て去って、あらゆるものによりかからず、自分の生へ向かってくれと述べているのです。ウィトゲンシュタインは聖書と哲学を非常に重大視した人なので、これはもう明らかに、ダンテ神曲地獄篇のことを想起しながら記したんだろうなと思いました。ダンテはこう記すんです。
 
 
魔王の巨大な背に、かたくしがみつけ。かような絶望の悪からは、かようなハシゴを登りきって立ち去らねばならぬのだ。
 
 
師とダンテは、ついに魔王の背を登りきり、地獄の底からの脱出を遂げるのです。ダンテは重力の強烈な変化に圧倒され、その脱出の経路がなんであったかを捉えきれずにいます。そこで師が世界の成り立ちについてダンテに教えます。ここら辺の描写はどうも、プラトンの「洞窟の比喩」のようで興味深かったです。ついに師とダンテは地獄から抜け出し、ふたたび地表を歩み、夜の空を見上げます。山川訳はこうです。
 
 
かくてこの處をいでぬ、再び諸々の星をみんとて
 
 

 
 
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処刑の話 フランツ・カフカ

今日はフランツ・カフカの「処刑の話」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これはカフカ作品の中でも不条理さが徹底していて、かなり不気味なもので、ダークな小説が好きな人なら確実に引き込まれる内容だと思います。このほかに「変身」や「」があります。
 
 
癌治療という名目で、長生きできるはずの子どもたちを次々に殺してしまう最先端の病院というのが、作中の無慈悲で無思考な軍人の姿とオーバーラップしました。カフカは記します。
 
 
 旅人は考えた。
 よその国の事情に大きく介入するとなると、たいへん慎重にならなければならない。
 自分はこの流刑地の住民でもなければ、この流刑地の宗主たる国の国民でもない。
 もしこの処刑を厳しく非難したり、実際に妨害したりしようものなら、こう言われるに違いない。
 このよそ者が、黙ってろ。
 
 
続けてカフカはこう書くんです。この制度が不当で、この処刑が非人道的であることは、疑いようのないことだ。
 
 
カフカは「旅人」のみが持つ独特な距離感と倫理性をあざやかに描きだします。三好達治の詩の一節「されど 汝(なれ)は旅人 旅人よ 木蔭に憩え 冷たき石にも 憩えかし」を思いだしました。
 
 
物語の中盤、旅人がいったいどう行動するのか判らず、固唾をのむシーンがあって引き込まれました。
 
 

 
 
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神曲 地獄(33) ダンテ

今日はダンテの「神曲 地獄篇」第三十三曲を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ほとんど最後の地獄の描写として、ウゴリーノ伯の物語が描かれます。ダンテの神曲を読んでから、東京の上野にある「地獄の門」を見るとですね、なかなか興味深いんですよ。
 
 
ダンテ神曲・ロダン作・地獄の門  
 
扉の左側の、中央すこし下のほうに、今回のウゴリーノ伯と子どもたちが描かれ、そのすぐ下には、第五曲で描かれたもっとも美しい罪人たち、禁断の恋の罪で風に吹かれつづける「パオロとフランチェスカ」の彫像があります。それからもう一つ、右の柱の一番下にも、地獄で愛しあう男女の姿があります。これも第五曲で登場する禁じられた愛の描写です。
 
 
ちなみに上野の国立西洋美術館のすぐそばの野外にあるので、無料で見れちゃうんですよ。
 
 
ウゴリーノ伯は、四人の子や孫とともに塔に幽閉されて、家族もろとも餓え死にさせられたという、考えられる限りでもっとも恐ろしい経験をして亡くなります。なぜ、そのあわれな被害者であるウゴリーノ伯が地獄に居るかというとですね、子どもたちを幽閉し死なせた大司教ルッジェーリを地獄の果てまで追いかけて来て、この頭蓋に永久にかじりついているからなんです。
 
 
この凍てついた極寒の地獄ではあらゆるものが凍りつき、涙の一滴さえ漏らすことが出来ずに、耐えがたい苦は、瞳の内側へと引き返すよりほか無い。山川訳はこうです。
 
 
ここには憂へ憂ひをとどめ、なやみは目の上の障礙にさへられ、苦しみをまさんとて内部にかへれり
 
 
またダンテは、どのような理由があろうとも、子どもたちをあのようなむごい状態におとしいれるべきでは無かった、と記します。まだ幼かった者に罪などあろうはずもない。山川訳はこうです。
 
 
……たとひ伯爵ウゴリーノに汝に背きて城を賣れりとのきこえありとも汝は兒等をかく十字架につくべきにあらざればなり
第二のテーべよ、年若きが故にすなはち罪なし、ウグッチオネもイル・ブリガータもまた既にこの曲に名をいへる二人の者も
 
 

 
 
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