神曲 浄火(7) ダンテ

今日はダンテの「神曲 浄火篇」第七曲を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
同郷、ということで親睦を深める師ウェルギリウスと、ソルデルロ。この物語の重大な登場人物である師ウェルギリウスがどういう人なのか、今回の章でかなり見えてきます。wikipediaでもウェルギリウスのことがいろいろ書いていて参考になります。師ウェルギリウスの遺骨を、丁重に埋葬したオクタウィアヌス(オクタウィアヌス・アウグストゥス)は、生前に彼とどのような関係があったのだろうかと調べていたら、wikiにちゃんと書いていておもしろかったです。

 
wikiによれば、師ウェルギリウスは、古代ローマの詩人で、『農耕詩』という長編の本を書いたんですが、これを書くように後援したのが皇帝オクタウィアヌス・アウグストゥスなんです。この全四巻におよぶ長大な農耕詩集はウェルギリウスによって書かれ「農民の生活と自然と農作の方法、葡萄栽培法、養蜂法、牧畜の方法が愛着を込めて描かれている。完成には、7年かかっている」そうです。
 
 
今回の章は、これまでの物語を総括するような、なかなか魅力的な話しが展開しています。くわしくは原文を読んでもらいたいのですが、師ウェルギリウスがなぜ地獄めぐりをしてきたのか、それから煉獄の山とはいったいなんなのか。ダンテの神曲をまだ読んだことが無い方は、ぜひこの浄化七曲だけをとりあえず読んでみると、全体を読みすすめてゆきやすいんじゃないかと思いました。
 
 
煉獄の案内人ソルデルロは、「夜になると煉獄の山は登れない。闇が人々の力を奪うからだ」と述べ、ダンテと師を「良き憩いの場」へと導きます。美しい谷間のくぼみには、さまざまな人々が滞在しています。
 
 
地獄篇ではまるで見ることのできなかった、美しい自然描写が立ち現れます。山川訳はこうです。


 かなたに山腹のみづから懷(ふところ)をつくるところあり、我等かしこにゆきて新たなる日を待たむ


 金、純銀、朱、白鉛、光りてあざやかなるインドの木、碎けし眞際(まぎは)の新しき縁の珠も
 各その色を比ぶれば、かの懷の草と花とに及ばざることなほ小の大に及ばざるごとくなるべし
 自然はかしこをいろどれるのみならず、また千の良き薫をもて一の奇しきわけ難き香を作れり
 我見しにこゝには溪のため外部よりみえざりし多くの魂サルウェ・レーギーナを歌ひつゝ縁草(あをくさ)の上また花の上に坐しゐたり
 
 
しかし、ダンテはこの煉獄の美しい地でも、人々は苦悩を抱えているということを知ります。現実の世界に近しい描写だと思いました。伊東静雄の詩集「わが人に与ふる哀歌」の詩「帰郷者」に「自然は限りなく美しく永久に住民は貧窮してゐた」という一節があるのですが、まさにこの煉獄の美しい谷に共通していると思いました。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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