神曲 浄火(25) ダンテ

今日はダンテの「神曲 浄火篇」第二十五曲を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ついにダンテたちは、煉獄の山のもっとも奥にある、七つのうちの最後の環道に入ります。そこは好色の罪を清めるという場所なのであります。
 
 
霊と人との環境のちがいについて討論を進めるうちに、人と動物はいったい、なにがどうちがうのかという議論に発展します。これは現代では語られないことで、すごい解釈だなあと思いました。動物と人とはほとんど変わらない肉体を持つのだが、そこに人の霊魂が入るからちがうのだ、という話しでした。
 
 
ダンテは、人の魂を持つから、人は人なのだと言います。それから、死者と生者の境目をひじょうに独特に説明します。ダンテはこう記します。ラケシスの糸が尽きた時に、肉体を離れた魂は人性と神性をそなえたまま存在し続ける。物的な行動はすべて終わりを告げるが、記憶や知力や意志力は死してもなお残り続ける。そうして地獄か煉獄か天堂へゆくというのです。
 
 
ここからの記述がじつに詩的で、魂というのは、雨を含んだ大気が太陽の光を浴びて、たとえば虹となって美しい像を立ちあらわしてくるように、人のまなざしによって、霊やその存在が明らかに立ちあらわれてくるのだと言うんですよ。山川訳はこうです。
 
 
たとへば空氣雨を含むとき、日の光これに映(うつ)るによりて多くの色に飾らるるごとく
あたりの空氣はそこにとゞまれる魂が己の力によりてその上に捺(お)す形をうく
かくてあたかも火の動くところ焔これにともなふごとく、新しき形靈にともなふ
 
 
色欲の罪を浄化するために、煉獄の人々は炎の中で、貞節に生きた人々の名を歌い続け、その魂の傷を治しているのでありました。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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