神曲 浄火(33) ダンテ

今日はダンテの「神曲 浄火篇」第三十三曲を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
いよいよ楽園へゆくので、ここからは牧歌的で美しい詩の数々を楽しんでゆけばいいのだろうと思ったら、ぜんぜんちがいました。ベアトリーチェはかなりおそろしい未来について言うんです。ダンテは記憶の中のベアトリーチェを描いていると言うよりも、十字架を背負うキリストを見守る聖母マリアのようにベアトリーチェを描いています。これは作中に、そう明記されています。
 
 
ベアトリーチェは主人公ダンテに過酷な事態をさまざまに告げます。こういう言い方なんです。
 
 
我見るに汝の智石に變り、石となりてかつ黒きがゆゑに、わが言の光汝の目をしてまばゆからしむ


ベアトリーチェはこう言っています。「ダンテよ、おまえの脳はまるで石に変わり果て、黒い石のようになった知性のために、わたしの言葉がまるでまばゆく光るように感じられ、そのように目がくらむのだ」もう年下の、美しい女が言っていることじゃないです。苦しむ子に教える、母の姿です。しかもダンテは、むつかしすぎて、わかりません、とベアトリーチェに訴えています。
 
 
ベアトリーチェは苦難と、忘却の水について説明します。わたしを裏切った事実を忘れた、ということは、レテの水を浴びたからであり、愛するものとの関係をどこか憶えていない、と言うことが、私のことをおろそかにした、その罪が存在することをすでに証明している、と。あなたはよそ見をして生きてきたんです、とベアトリーチェはダンテをしかるのです。
 
 
おそろしいことに、天女からダンテはレテの川の水を浴びさせてもらって、かなりのことを忘却しているのであります。
 
 
あなたの茫漠とした眼にもはっきりと判るように、判りやすくこれから教えてあげましょうと、ベアトリーチェは言うのでした。エウノエの川で、記憶の力を呼び覚ましてあげなさい、とベアトリーチェは天女に命じます。
 
 
エウノエの美味い水を飲み、幼子のような清んだ心になり、生きなおすというような描写でした。煉獄篇の最後の言葉はこうです。山川訳でどうぞ。
 
 
さていと聖なる浪より歸れば、我はあたかも若葉のいでて新たになれる若木のごとく、すべてあらたまり
清くして、諸々の星にいたるにふさはしかりき
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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