文壇の趨勢 夏目漱石

今日は夏目漱石の「文壇の趨勢」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これはごく短いエッセーなんですが、漱石の生きている時代の、日本の小説家たちのことを論じています。漱石は多忙の中でも日本の作家たちの新作を読みつづけていて、しかも、どれもかなりおもしろい作品ばかりだと、ほめています。
 
 
漱石は不機嫌な人だったと聞いていたので、かなり意外だったんですが、イギリスの文壇と比べてみても、日本の1908〜1909年(明治の終わり)ごろの、日本の小説はなかなか良いですよと書いています。
 
 
良い感じに競いあっていて、同種どうしの作品も磨かれつつあり、また文壇に反発をして異形の作品を書いている作家も、同時に出てきていると書いています。漱石は、競い合わないと文学は進歩しないと考えていて、伝統的な表現者の競い合いと、革新的で新興的な表現者の、圏外からの勢力拡大と、両方が盛りあがるべきだと考えています。それから、おおぜいの読者たちのうねりというのが、文学の未来を決定付けるところがあると、いうことを書いています。
 
 
漱石はこの随筆で、実際に実名や作品名をあげずに、全体的な傾向を批評しているんですが、それがかえって内容をおもしろくしている随筆だと思いました。漱石がこの随筆を書く前に、なにを読んだのかちょっと調べてみたのですが、まったく判りませんでした。1908年当時に、有名になった本は、田山花袋の「一兵卒」や、国木田独歩の「竹の木戸」や、正宗白鳥の「何処へ」という作品なんです。
 
 
漱石の手紙、というのがほんとうにたくさん残っているそうで、漱石の専門家やファンはこれを読んでいるそうなんですが、漱石は数多くの人々に一人一人手紙を出しているんです。ただの読者であるとか、あるいはデビュー前の芥川龍之介であるとか、漱石を文学の世界に引きいれた正岡子規との手紙とか、それから小学生の読者に送った手紙とか、いろんな手紙が残っていて、しかもひとつひとつが、おもしろいのだそうです。こんど読んでみたいです。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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