待つ 太宰治

今日は太宰治の「待つ」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
最近ニュースや文芸誌で、なにかと太宰治が話題になっているなと思って、今回から、太宰治が戦争についてどのように表現したかを追ってゆきたいなとおもっています。戦後になってから登場した作家には、戦争文学を書いた方が多いんですが、戦時中にリアルタイムでその時代について描き、反戦主義や共産主義というレッテルを張られることもなく、特高からの逮捕もまぬがれ、また戦争を賛美もせず、さらに戦後中国でもっとも読まれた作家というのは、太宰治しか居ないんです。
 
 
15年戦争のさなかに、「逆光」や「女生徒」などが発表され、ナチスドイツがポーランドに侵攻し第二次世界大戦が勃発した時期に、「駆込み訴へ」や「走れメロス」が発表されています。戦争への肯定や否定は直接書いていないんですが、その時代の気配を如実に反映しているのが、太宰治なんだと思います。
 
 
ある戦時中の哲学の授業で「主戦主義者にも反戦主義者にもどちらにも、明らかに役立つような知識を伝えることこそが、重大だ」という考え方を述べていたのを、本で読んで、なるほどと思ったんですが、太宰治の書き方というのはやはり中庸であったからこそ、戦争の時代に多くの小説が書けたんだろうなあと思いました。1933年初頭、ヒトラーがドイツの首相に就任し、ファシズムが本格化する時代に、日本では小林多喜二という作家が特高に拷問死させられ、第二次大戦中には中野重治など数多くの作家が「アカ」ということで捕らえられ転向を強要され……という時代に、どうやって小説が書けたんだろうか……という謎を感じます。時代背景を調べつつ、同時に小説を読んでゆくと、印象がかなり変わるなあと、思いました。
 
 
この「待つ」という作品は、ごくごく短い掌編の小説なんですが、戦時中に、幼い少女がどのように考えて生きているか、そのところがリアルに描写されています。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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