吾輩は猫である(5) 夏目漱石

今日は夏目漱石の「吾輩は猫である」その(5)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
いろいろ変なことを書いているのが、この「吾輩は猫である」の特徴だと思います。二十四時間の出来事をもらさず書いたら、それを読むのに二十四時間以上かかっちゃうだろうとか、そういえばそういう発想で連続ドラマを作った人たちが居たなあと思いながら読んでいました。

 
漱石は三角関係の恋愛を念入りに書いていった作家なんですが、さすがに「吾輩」では恋愛はいっさい書いていないだろうと思ったら、この5章で、書いていました。猫が春におちいる、恋愛感情について、私はまだ知らない、ということを書いています。ここから「こころ」や「明暗」やあるいは「虞美人草」における秀逸な恋愛描写の、きっかけが生じたのかと思うと、じつに興奮して読みました。本文は、こうです。
 
  ほのかにうけたまわれば世間には猫の恋とか称する俳諧はいかい趣味の現象があって、春さきは町内の同族共の夢安からぬまで浮かれるく夜もあるとか云うが、吾輩はまだかかる心的変化に遭逢そうほうした事はない。そもそも恋は宇宙的の活力である。かみは在天の神ジュピターよりしもは土中に鳴く蚯蚓みみず、おけらに至るまでこの道にかけて浮身をやつすのが万物の習いであるから、吾輩どもがおぼろうれしと、物騒な風流気を出すのも無理のない話しである。回顧すればかくう吾輩も三毛子みけこに思いがれた事もある。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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