今日は島崎藤村の『破戒』その(6)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
主人公丑松は、どうも寒さにやられて体調を崩しているのか、青い顔をしている。丑松は、凍てつく空の向こうの方から、父の声が聞こえた、と言い出すんです。古里ははるか彼方にあって父の声が聞こえるはずも無く、なぜそれが聞こえるのか、ということが描かれています。それも、一度や二度では無く、はっきりと父の声が聞こえてくる。なかなか幻想的な展開をするもんだと思いました。虫の知らせのような声と、銀河や夜の鳥とが連なっているように描いているところがこう、若菜集に通底する美しい表現に思えました。
丑松はまた、おなじ出自を持つ、思想家の猪子連太郎先生に手紙をしたためている。翌朝、丑松は父の亡くなったのを知らされ、古里へと帰った。丑松を慮るお志保の印象を記した文が印象に残ります。原文はこうです。
…………
醜くも見え、美しくも見え、ある時は蒼く黄ばんで死んだやうな顔付をして居るかと思ふと、またある時は花のやうに白い中にも自然と紅味を含んで、若く、清く、活々とした顔付をして居るやうな人……
そういう人が、お志保であり、その母であろうと、丑松は考えるんです。
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「破戒」登場人物表
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ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。
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