街の子 竹久夢二

今日は竹久夢二の「街の子」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
竹久夢二は、画力が高いわけでもないのに、深い印象を残す絵を、あまたに描きだした画家なんですけれども、今回の童話を読んでいて、その観察眼の慥かさが、竹久夢二の主要な魅力なんだと思いました。子どもと芸術に関する観察がもう、すごいんです。
 
 
この「街の子」という童話は、ある映画を好きになった子どもの話なんです。
 
 
子どもは、そのーなんというか、ものが「ある」、とか行為を「する」とかいう原始的なところに強く反応するわけで、すべり台だったら「すべる」ことをもう徹底して、何回も繰り返してしまう。全体の流れとかモノと人々との関係性とかをすっとばして、行為自体に極端に意識をかたむけてしまう……、というこどもの特徴が、映画と接するときにも如実にあらわれていて、こういうことを成人したあとの自分も体験できてしまったら、すごいなと思うんですけど、竹久夢二は、こどもがすべり台でほんとに笑っている、というような原始的な感覚を、大人にも判るように書いてしまう。こりゃすごい童話だ……と思いながら読みました。
 
 
こどもがほんとに楽しみにして、映画の世界に入りこんでいっている。純粋に映画を見ている。という描写が秀逸なんです。本文に、こう記されている箇所があるんです。
 
 
  春太郎は、ジャッキイ・クウガンが大好きで、ジャッキイの写真はたいてい見ていました。だからもう今では、ジャッキイの顔を見ると、長い間のお友達のような気がするのでした。
 
 
この、すこしさみしいような一文を読んで、なんだかマタイ伝の『さいはひなるかな、悲しむ者。その人はなぐさめられん。』という言葉を無意味に思いだしました。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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