はだかの王さま アンデルセン

今日はアンデルセンの「はだかの王さま」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは、2年前くらいにすでに紹介したもんなんですが、もっかい掲載します。じつに奇妙なパレードがとりおこなわれるストーリーで、なんとも言えず、好きな童話です。今の時代に見たら、まあこの王さまはなんて楽しい人なんだろうと思いました。
 
 
ぼくは宮沢賢治が『どんぐりと山猫』で取り扱った、裁判の寓話がとても気になっていて、どんぐりたちが、背くらべや、言い争いをし続けていて、いつまでたっても終わらず、ずっと騒動を続けて誰がいちばんえらいのかを決めたがっている中で、そこでは主人公は、物語上すんなりと、いちばんえらいのはこうだと言うんです。
 
 
  「そんなら、こう言いわたしたらいいでしょう。このなかでいちばんばかで、めちゃくちゃで、まるでなっていないようなのが、いちばんえらいとね。ぼくお説教できいたんです。」
 
 
それで言い争いは終わって、すっかり元どおりのどんぐりたちと森の世界が戻る。子どもの頃に、この物語を知って、そうか、別にえらくなろうとしなくて良いじゃん、と思って、のび太くんみたいに生きてみるという方針もあるなと思って楽しくなったのをよく覚えているんですけど、自分一人の悩みは解決したけど、じゃあ現実の権力の場面で、こういうことになったら、世界全体が壊れてしまう。
 
 
宮沢賢治が言おうとしたのは、そういう権力者じゃ、無かったはずだと思って、賢治がここで述べている、「まるでなっていない」というのは、今大問題になっている人々とやっぱりかなり真逆なんだろうなとか、彼らは甚大な資産を集められるだけの知力と組織力があって、戦略はゼロでも戦術に長けているし、こういう危険なものをえらいとは、想定していないはずだろうと思って、けっきょく「自分たちの無知を思い知ることができて、ただあのどんぐりたちのように、しんとしてしまった人たち」のことを賢治は寓話で表現しているんじゃなかろうかとか、解釈をしつつ再読しました。
 
 
アンデルセンの「はだかの王さま」は、こんな人が現実にいたら、きっととんでもなく変なことになってしまいそうなんですけど、物語で読むと、何ともいえず愛らしいというか、いつまでもこう、見ていられる世界なんです。不思議な寓話だなあ、と思いながら再読しました。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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