赤い部屋 江戸川乱歩

今日は江戸川乱歩の「赤い部屋」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
このまえ、小酒井不木の恐怖小説を紹介したので、こんどは不木がデビュー時に絶賛した江戸川乱歩を読んでみたいと思います。娯楽小説の金字塔である乱歩の著書が、パブリックドメインになっていて0円で読めるというのはちょっと衝撃です。
 
 
乱歩は退屈に冒された主人公たちを描きだすんです。なんかこう現代では、退屈する人と忙しい人で、両極端だなと思いながら、乱歩の「赤い部屋」を読んでいたんですけど、乱歩のこの記述が異様なほど印象に残りました。本文に、こう記されているんです。
 
 
  「それはもう、お前の退屈していることは、今更いまさら聞かなくてもよく分っているのだ」
 
 
このセリフが、脳内に幾度もリフレインされました。彼らは退屈しのぎに、刺激的な告白をし始めるわけです。それで、物語が本題に入ると……。最近ではマンガでしか見ないような烈しい残酷描写にギョッとしました。
 
 
どうしてこの男は、あまたの人を危めてしまったのか、という謎の発端となった事件を描いているのですが、これがとたんにリアルなんです。こういう経験を、した人は多いはずだという物語なんです。殺人に積極的に関わったと言うよりも、配慮が足りずに、困窮者を見殺しにしてしまったという描写が挺然としていて身に迫るものがあるんです。なんだか、悪を吸いこむ洞穴のような物語でした。いったい誰が、なぜ……という謎を追いつづけた、乱歩のまなざしが冴える短編でした。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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