今日は宮本百合子の「この頃」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
これは、ほんの1ページの習作なんですけど、原始的な迫力を感じさせる掌編です。手練手管の作家からは生じないような、荒々しい文体なんです。宮本百合子のデビュー作発表のさらに数ヶ月前に書かれたものらしいです。
本文とほとんど関連性が無いんですけど、サルトルの言葉を思いだしました。哲学者が、こういうことを書いたらしいんです。
「辱められ、抑えつけられていた彼が、昂然と身を起こし、石のように投げつけられた《ニグロ》という言葉を拾い集める。白人の眼の前で、誇らしげに黒人としての復権を要求する。…この人種主義に反対する人種主義こそ、人種差の撤廃に通じ得る唯一の道である。1948」
フェミニズム思想到達の寸前とでも言うのか、なんとも言えぬ生々しさが新鮮な掌編小説でした。
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ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約10秒)
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