私の日常道徳 菊池寛

今日は菊池寛の「私の日常道徳」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これ明るい随筆なんです。(一九二六年一月)昭和がはじまる寸前の、正月ごろに記されたものらしいです。ぼくの読書サイトはタイトルが「明かりの本」なのに暗い話しや、闇の時代ばっかり紹介している気がしてどうもまずいと思っていたんですが、探してみるとありますね。明治大正昭和にも、面白い本や明るい本があります。
 
 
騎士道精神とでも言えば良いのか、事業を起こしてものすごい人数を動かすことになった人の、日々の思いが語られています。wikipediaの「菊池寛……来歴」を記した文章も同時に読んだんですがなんだか見事で、文末が良いんですよ。写真がまた秀逸なんです。この辞書ページを、書いた人すっごいファンだなと思いました。
 
 
中段で、編集という行為に関する、重要な問題がさらっと論じられているんです。これが……言語の機能に関する哲学的な議題そのもので、そういうことだったのかと衝撃を受けました。伝聞ということの問題点が洗いざらい開示されているような、そういう迫力を感じました。伝聞は、文脈が壊れていることがある。そこに注意深くしている菊池寛の随筆で、創業者ってやっぱ凄いやと思いました。本文こうです。
 
 
  人は、陰では誰の悪口でも言うし、悪口を言いながら、心では尊敬している場合もあり…………
 
 
悪口は聞き流すことにしているのだ、と菊池寛は言います。詳しくは本文をご覧ください。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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彼岸過迄(9)雨の降る日(後編)夏目漱石

今日は夏目漱石の「彼岸過迄ひがんすぎまで(9)雨の降る日(後編)」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回の宵子の弔いの描写は、とりわけ静謐な筆致なんです。これが、後期漱石作品の重大な特徴なのではないかと思いました。自分のせいで不幸が起きてしまったと思っている千代子に対して、いろんな家族が、静かに接してくれる。不安や怒りを、漱石が鎮めるように描きだしているんです。
 
 
漱石の後期作品は前期とはまたちがう迫力があるなあ……と思いながら読みました。描写が微細なんです。小さい編み笠や藁草履や、赤い毛糸の足袋が、静かに描きだされる。とくに咲子という少女が、抑制のきいた幼子らしい態度でいるのがものすごいリアルでした。ほんの少しだけ登場する子供の描写が、えげつないほど見事に書かれています。嘉吉という幼子の行動とか、ほんの数行なんですけど、そこにほんとうに居る感じがすごい出てるんです。これが文学か! とか思いました。明治時代であっても、葬儀は現代とそれほど変わらない。自分のじっさいの記憶と混じりあってゆくのが時代を超える文学なんだなあと思いました。漱石は記憶の内部に入りこんでゆく、希有な作家のように思います。
 
 
この会話が印象に残りました。
 
 
…………
「市さん、あなた本当ににくらしいかたね。持ってるなら早く出して上げればいいのに。叔母さんは宵子さんの事で、頭がぼんやりしているから忘れるんじゃありませんか」
須永はただ微笑して立っていた。
「あなたのような不人情な人はこんな時にはいっそ来ない方がいいわ。宵子さんが死んだって、涙一つこぼすじゃなし」
「不人情なんじゃない。まだ子供を持った事がないから、親子の情愛がよく解らないんだよ」
「まあ。よく叔母さんの前でそんな呑気のんきな事が云えるのね。じゃあたしなんかどうしたの。いつ子供持ったおぼえがあって」
「あるかどうか僕は知らない。けれども千代ちゃんは女だから、おおかた男より美くしい心を持ってるんだろう」
 
 
もっと良い描写がいっぱいあるんですけど。つづきは本文をご覧ください。
 
 

 
 
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 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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山羊の歌(39) 中原中也

今日は中原中也の「山羊の歌」その39を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回は、詩人の北原白秋におくる詩です。
北原白秋は「思ひ出」という詩集の中段で、こういう詩を書いています。
 
 
 青いソフトに

 青いソフトにふる雪は
 過ぎしその手か、ささやきか、
 酒か、薄荷はつかか、いつのまに
 消ゆる涙か、なつかしや。
 
 
これを受けて、「雪の宵」を書き記している。
 
 
「悔と悔とに身もそぞろ」という、ちょっと謎めいた文章を調べてみました。これは「悔いがあって、気持ちが落ちつかない」という、そのまんまの意味のようです。北原白秋の詩を引用しつつ、恋愛についてさっと描いている。最後の4行が洗練されていて良いんですよ……。魅入ってしまいました。
 
 

 
 
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時の流れ 鈴木大拙

今日は鈴木大拙の「時の流れ」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
鈴木大拙はアメリカに禅を紹介した仏教学者なんですが、今回は、過去現在未来についての、哲学的な随筆を書いています。
 
 
過去と現在の間にラインを引くことが出来ない。今の時刻を、秒針を見ながら書き記すと、もう数秒前の過去になっちゃっている。現在を厳密に特定することがどうも、できない。この文章が印象に残りました。
 
 
  「時」は痕跡であるから、それのみを「事実」だと見て居ては、巨人の独尊者はもうそこには居ないのである。吾等の考への混雑は実に此矛盾から始まると云ふべきであらう。
 
 
ゲーテもこういうことを言ってますよ。「君たちが盛んに論じているのは十年以上前のゲーテであって、もうぼくは、とっくにその先に進んでるから、そこに拘泥していても意味無いよ」みたいなことを言ってました。
 
 
固定したり分割することがじつはできない。抽象と具体の区別もじつは、あいまいだ、と鈴木大拙は言うんです。鈴木大拙は哲学というよりも、禅の問いをここでやっているようで、独尊者という仏教語を持ってきている。wikiで調べた限りでは、「仏さまだけが唯一、苦から解脱しているので尊い」かあるいは「仏さまだけが衆生の苦を安んずるので尊い」という意味でこの言葉を使っているようです。ただ、鈴木大拙は、西洋哲学もここで同時に論じているので、とくに釈迦の教えのみを開示しているわけでは無いんです。大拙は「独尊者」のことを「彼」といって、つまり現代史の立役者について論じてもいる。また狗子仏性くしぶっしょうを説いた趙州という禅僧も独尊者の一人だったと、本稿に明記しています。
 
 
現代の歴史を捉えるって、すこぶるむつかしくって危険だよ、って鈴木大拙が言うんです。どの日本史について語っているのか、ぼくには判らなかったのですが、本文にこう書いています。
 
 
  随つて歴史が其上に何か跡づけて行くと云ふのは、本当の歴史の影を追つかけて飛びまはると同じである。手に入れたと思ふのは抜殻に外ならぬ。そんな抜けがらを捉へて後生大事と心得て居るものに限つて、生きたものを死んだものに仕替へてしまふ。即ち死骸のミイラを仏壇なり神殿なりに祭り込んで、その前に三拝九拝して、その中から後光の流れ出るのを待つて居る。鰯の頭の信心よりまだ馬鹿げて居るのみならず、こんな手合ひに限つて、自分の抽象した干枯びたミイラの押売りをやらうとする。自分だけの信心ならそれもさうで、別に他から何とも云はれず、またそれで趣きのあるものである。が、干物の押売をやる連中になると、その禍の及ぶところ誠に図り知るべからざるものがある。
 
 
えーと、つい先日、水質の汚染について考えるための環境問題プロジェクトを台湾芸術大学の学生が発表して話題となったんですが、学生とは思えない秀逸な作品なんです。
 
 
鈴木大拙が危険視しているのはこの学生たちのまなざしとはまるで無縁な、大がかりな暴力組織のことで、ちょっと引用するのもむつかしいんです……なんだか怖ろしいことを書いてしまって申し訳ないんですが、近代文学や戦前思想の読解と紹介は、もうすこし慎重にやらなきゃいけないなと思いました。くわしくは本文を読んでもらいたいんですが、最後の数行がすごいんです。
 
 

 
 
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彼岸過迄(8)雨の降る日(前編)夏目漱石

今日は夏目漱石の「彼岸過迄ひがんすぎまで(8)雨の降る日(前編)」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
田口はデタラメなことをしたようでいて、ちゃんと敬太郎に仕事を用意してくれた。敬太郎は、先達の家に出入りしているうちに、このまえ逢った千代子とだんだん親しくなってゆく。
 
 
漱石はある固定的な物語の型をつくってから、後半にゆくにしたがってだんだん均して読みやすくしてゆく文体が多いと思うんですけど、「草枕」の、美文から物語文へとじっくり変化してゆく文体が秀麗だと思うんです。今回も後半に向かうにしたがって、独特な文体の型を溶かしていって、物語の進行のほうに意識を集中してゆく展開になっています。絵画にヌケがあるように、漱石の小説にもすらすら読める箇所があって、今回の「雨の降る日」が緩い描写になっています。
 
 
ここまで主人公敬太郎の視界から見えたものを中心に、話しが展開してきてカメラはずっと敬太郎に密着していたんですけど、今回から急に、カメラが千代子の世界を追いはじめる。この場面切り替えが乙なんです。前回は中国へ移住していった友人の「洋杖」を中心にして、物語がガラッと入れかわったんですが、今回は「雨の日は逢わない」という奇妙なルールを中心にして、時間軸と登場人物が入れかわってます。
 
 
そこで芭蕉という植物が雨に打たれるときの音が話題になります。wikiによれば、松尾芭蕉の芭蕉は、この植物から由来しているそうです。はあ、そうだったんだと思いました。主人公がいったん消えてしまって、千代子と幼子の宵子よいこの朗らかな暮らしが描きだされます。漱石の女性の描写は、繊細で美しいんです。小津安二郎の映画みたいなんですが、そこから急に不幸が描写されます。はっと息をのむ展開なんです。
 
 
 


 
 
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山羊の歌(38) 中原中也

今日は中原中也の「山羊の歌」その38を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回の詩でも、中也は詩の宛先を書いています。詩の献辞みたいなことをしています。相手は関口隆克(1904~1987)という方です。中也ととても親しかったらしいです。1928年(昭和3年)5月から約半年間ほど、中原中也は下高井戸で、関口隆克と自炊生活をしていたことがあるそうです。
 
 
ぼくの脳みそはどちらかといえばポンコツで、詩を暗記する能力に乏しいんですが、いちばん好きな詩くらいは、憶えてみたいと思うんです。記憶力が今ひとつだと逆に良いこともあって、近代文学を新鮮に読み直すことが出来るのは嬉しいんです。良いものを、くりかえし読めます。
 
 
この 「修羅街輓歌 序歌」 という詩を、せめて冒頭の5行くらいは、暗記してみたいと思いました。中原中也が「返つて来い!」と書くと、ものすごく印象に残ります。みごとな詩でした……。これが読みたかったんだと思いました。
 
 

 
 
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戦争論 坂口安吾

今日は坂口安吾の「戦争論」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは第二次大戦が終わって数年目に書かれた随筆なんです。GHQの占領下にあって、原爆のことは検閲が敷かれており、その主だったルールは「報道は真実と事実に即して書かれること」とか「連合軍軍隊の動向に関し、公式に発表解禁となるまで報道禁止」とか「報道記事は宣伝目的で事実を誇張してはならない」また「記事には記者の意見をつけ加えてはならない」というようなものだったんです。くわしくはwikiをご覧ください。


それであの、坂口安吾は原爆の問題を論じるときに、1945年の8月6日までは、そこまで極端なことが起きるとは、ほとんど誰にも空想さえ出来なかったということを記しています。イメージするというのは一瞬で出来て簡単なはずなんですが、その想像力を完全に越えてしまっているのが原爆だった。
 
 
極端な事態が、イメージさえ出来ていなかった……。坂口安吾は作家として、原爆投下が起きるという未来をイメージできなかったということを、この随筆で重大視してるんです。広島という都市への原爆投下の酷さは、それが実行される前には「誰一人、夢想することも出来なかった」と書いている。こんご原爆が使われないことを願いながら、坂口安吾はこう書くんです。「すべて、物事には、限度というものがある。」原爆投下はこの限界を越えていた。これ以上の人間的被害はありえないと書き、それで安吾はこう結論づけます。「もはや、戦争をやってはならぬ。断々乎として、否、絶対に、もはや、戦争はやるべきではない。」
 
 
安吾はこの随筆で様々に興味深いことを書いているんです。戦争の時代から平和の時代に移り変わった、その混沌の現場に居て、安吾がさまざまなことを言っているんです。ぼくは日本に足りていないのはフランスにあるような、息の長いデモとストのあり方だ、と思っているので、この随筆の一部に反論したい箇所もあるんですが、安吾は大胆に、ストライキで群れたりすること無く、自由に生きろと、書きます。
 
 
安吾はたしかに、戦時中に徴兵も退けて特高からも被害を受けていないんです。あらゆる人に赤紙が行ったのに、いったいどうやって大日本帝国に巻きこまれずに、自由に生ききれたのか、自分には見当もつかないんですが、安吾のアナーキズムはものすごいもんだと思いました。
 
 
いろんな人びとに対して愚を繰り返すな、働きアリになるな、と安吾が言っている。「こりることを知らない」と安吾が繰り返し叫ぶんです。着眼する箇所によって、内容が多様に変化するような奥行きのある随筆なんです。
 
 

 
 
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