こども風土記 柳田國男(23)

今日は柳田國男の「こども風土記」その23を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
柳田國男の語る習俗の、ほとんどは消え去っていて今どこにもないものが多いんですけど、今回のは、自分も子どもの頃に噂で聞いたことがありますし、ネットにも情報が載っていました。
 
 
ご近所の、お月見用のおだんごを、盗んでゆく子どもたちが居たっていう話しです。現代の都市ではたぶん、こういうことをすると、かなり危ない。たとえばアメリカでは、ハロウィンパーティーの日に「お菓子をくれなきゃ悪戯をする」っていう子どものための古い遊びがあるわけですけど、そこで銃撃事件が起きたことがありますし……。日本でも子どもが窃盗すると危険な可能性がある。
 
 
けど、たとえばカナダとか、日本の古い農村では、他人の家の敷地に近づいてもまったく問題無い場合があるようで、村全体でこういう習慣が、現代でもちゃんと残っているようなんです。こんかい、柳田の随筆を読んでいて、これはほんとに、子どもの頃、噂に聞いたことがある話しだなーと思いました。
 
 
モノを黙ってもらってゆくところに妙味があったわけで、柳田は「顔を見られまいとするところに一種の冒険味があった」と書くんです。源氏物語の恋愛みたいな、そういう上品さを感じました。柳田國男はこう書きます。
 

取られる側からいうと一種の豊富感、余って誰にでもりたいという幸福を、味わいたい際なのだから、相手が容易によろこぶ子どもならば、なおのこと取らせてやりたかったであろう。
  
子どもと泥棒、という存在は物語上だけの存在では無くて、かつて日本でほんとうにあった習俗だったんですねえ……。むかし子どもたちのやっていたことは、現代では猫が引き継いでいますよ。
 
  

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  
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