白痴(13) ドストエフスキー

今日はフョードル・ドストエフスキーの「白痴」その13を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ナスターシャは賢い女で、ぜいたくをさせてくれる男が居て、それを楽しむんですけど、ぜいたくに溺れることはなかった。ナスターシャの豪華なパーティーに押しかけることになった主人公ムイシュキンなんですが、ここでも辛うじて歓迎される。
 
 
フェルディシチェンコというのがナスターシャによくひっついているんですけど、これは変な人ですよ。あまり重要な人物では無いようですが、よくしゃべります。wikipediaの「白痴」人物紹介にはこう書いていました。
 

フェルディシチェンコ
イヴォルギン夫人が営んでいる下宿屋の下宿人。赤毛で身装りが薄汚い。道化。ナスターシャの取り巻き。

パーティーを主催しているナスターシャは、主人公ムイシュキンの突然の訪問を、温かく迎え入れるんですが、ちょっと体調が悪化していて熱におかされていて、だんだんいらだちを隠せなくなっている状況なんですが、フェルディシチェンコは奇妙すぎるゲームを思いつく。みんなでクジを引いて……

これまでのいちばん悪い行為を話すのです。

と言うんですけど、そういえばドストエフスキーはこれまででいちばん悪い事態を記憶していて、それを元に物語を書いている。それでも自分のもたらした悪について言うのはほとんど無理な話で、どうしてもウソを言うよりほかなくなってしまう。
 
 
なんでも書いた長年の小説家であっても、悪いことをいっぱいしたけど言えない、って言っているわけで、こんなゲームがあっても言えるわけがない。社交界の現場ではまったく無理なゲームを提案しちゃってるわけですけど、ナスターシャはこれに興味を持ってしまう。これで六人の男たちが、悪事の告白、というゲームを始めることになった。
 
 
ドストエフスキーって、飽きさせないアイディアを次々に出す人だなと、娯楽性についてもすごい造詣が深い。というか、ドストエフスキー本人が酒浸りだったりギャンブルしまくりだったり、かなり遊びについて熱心な人なんで、だから小説もおもしろいんだなあーと思いました。
 
 
フェルディシチェンコは、窃盗について語りはじめる……次回に続きます。


 

 
 
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 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  
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