天才 チェーホフ

今日はチェーホフの「天才」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
坂口安吾がもっとも推薦している作家は、チェーホフやドストエフスキーなんですけれども、今回はチェーホフの短編小説「天才」を読んでみました。この小説、おもしろいんですよ。主人公が成功を夢見すぎていて、間抜けなんです。本文こうです。
 

…………豪奢な応接間に坐って美しい女性の崇拝者に取り巻かれている光景を描いてみる。けれど生れて以来応接間というものを見たことのない彼には、この光景はどうももやもやした雲霧にとざされ勝ちである。女性の崇拝者もやはりうまく出て来ない。カーチャを別にすれば、彼は生れてこのかた一人の崇拝者にも、一人の良家の娘にも出くわさなかったのである。

他にも、随所に男の不思議な夢想が描きだされています。チェーホフのユーモアは底知れないんだ、とか思いました。
 
 
ぼくはおもしろいものがいつでも好きなんですけど、自分でユーモアのあるコンテンツを作れたことが無い。現代で売れているものは、エグイものか楽しいものか、どっちかだと思うんですけど、チェーホフはユーモアでもって、むかしも今も(演劇とか原作とかが)売れてるんじゃないかなと思いました。
 
夢想の画家は誰かに自分の希望や空想のお裾分けをしてやりたくなる。

とか書いてるんですけど、そのまえに良い絵を描いて売ったら良いのに、それはできない。
 
 
チェーホフは人間の不正を糾弾しない代わりに、そこにおかしみとユーモアを付帯させるんだと思います……。題名の意味がだんだん変じてゆく。最後の一文もみごとなんです。
 
 

 
 
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 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  
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