転向 和辻哲郎

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今日は和辻哲郎の「転向」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
このまえ、学生時代によく読んでいた数学者の随筆をたまたま古本屋で見つけて、嬉しくなって手にとってみたんですが、ほとんど覚えていなかったので新鮮な気持ちで読めました。
 
 
当時凶悪な事件というのがテレビでクローズアップされていて、どういうことでそうなってしまったんだろうかということについて記してあったんですが、その数学者によれば、それはファシズムの勃興に近いもので、どんなに優しい人でも、状況が悪ければやはり危機的な事態というのを悪化させてしまうんだという話で、ドイツのファシストというのは、その大部分が「もともとはふつうの人」からなっていたということを論理的に解説していて、最終的には、大組織の創り出す「りりしさ」というものに欺されてはいけない、って話で、やさしさを持続させてゆくことが非常にむずかしいんだけれどもそれをやるしかない、って結論だったんです。
 
 
じぶんは写真業界とかアスリートの世界とか、りりしい世界が好きなもんで、こういう話しに当てはまらない人間なんですが、りりしさに欺されるのは本当に危ない、という説明には説得力があるなあと思いました。それで、今回哲学者の和辻哲郎の「転向」を読んでみたんですが、文体はかっこよくて勇ましいんですけど、方向性としては、りりしさよりもやさしさが重大だ、という考え方と共通している部分もあるなあと思って、興味深く読めました。
 
 
和辻哲郎は、善意からメフィストのごとき辛辣な意識が生じることがあるんだ、と説くんですよ。今ゲーテのファウストを読んでいて、悪魔メフィストとの対話の部分に注目していたところなので、読んでいて面白かったです。ファウストは「りりしさ」に欺されずに、和辻哲郎が説くところの愛に生きたのかもなあ、とか思いました。和辻哲郎はドストエフスキーの作品を推薦しています。いつか時間があるときにドストエフスキーをちゃんと読んでみたいなあと思います。
 
 
和辻哲郎がこう記しています。
 
 
 私は自分の内にメフィストが住むのもまた無意義でなかったと思う。メフィストがいなければ私の世界も寂しいだろう。メフィストは私の世界を押し広め、多くの心理や見方を教えてくれる。それを機縁として私のファウストが真の叡智を得て行くのである。
 
 

 
 
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 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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