ファウスト(17) ゲーテ

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今日はゲーテの「ファウスト」その(17)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
前回、マルガレエテはなにかの不安を感じてか、ファウストにキリスト教への帰依をすすめたんですよ。どうしてファウストは、無垢なマルガレエテを好きになったのか、なんとなく納得しました。ファウストはもともとは無神論に近しいような学者を長らくやってきたものですから、唯一神を信仰するような態度はとれない。しかしマルガレエテの信仰心をもつ心情を愛しているようなんです。
 
 
マルガレエテは、思いや気持ちは寄りそっているのに、ただ神を信じるという宗教心は持たないのですねと言うのですが、これへのファウストの返答がしびれました。
 
 
マルガレエテは無垢で現実社会に疎いんですが、核心を衝いてくるんですよ。ファウストの背後にどうも悪魔が潜んでいるという事態に感づいている。
 
 
ファウストは宗教心を持たないんですが、それをもつ者への尊敬の気持ちというのがあるんです。それで、なぜお互いが違うところを拠り所とするのかというのを説明するのにですね、こう言うんです。森鴎外訳の原文はこうです。

  マルガレエテ

あなたの仰ゃる事は皆美しい、結構な事で、
牧師様の仰ゃるのも大抵同じようですが、
お詞(ことば)だけが少し違いますのね。


  ファウスト

それはあらゆる場所で
あらゆる心の人が天の日の光を享けて、
それぞれの持前の詞で言うのだ。
己だって己の詞で言って悪いというはずがない。
 
 
自分の言葉でいうんだ、ということをファウストが説いていて、この本を翻訳している森鴎外は、ここにきっと大きな感銘を受けたんだろうなあと思いました。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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