仙人 芥川龍之介

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今日は芥川龍之介の『仙人』を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。これはなんとも不思議なお話しです。
仙人になりたい、という少年が主人公の物語です。


「仙人」というのは、道教の教えの中に出てくる、山に住み空を飛ぶ不老不死の者のことです。仙人とは、天宮に赴き、透明人間のような存在にもなれ、朝日や夕日を食べ永遠に生きることが出来る、という設定になっています。西洋で言えば、魔法使いのような存在です。


道教は、老子の思想とは無関係に生じた中国の宗教ですが、その教えはかなり老子を参考にしている宗教です。老子と道教が異なっているところは、老子は「不自然な活動をするな」と述べ「無為自然」を説いているのに対して、道教は民衆に対して宗教による救済を積極的に試みているところがまったく違います。


それから、老子は「長生き」にこだわらないですし「死」にこだわらないということを説いていますが、道教では不老不死になる方法がある、という幻想を説いています。


道教は老子の思想とはかなり違う活動をしているんですが、その中心に老子があるのがなかなか奇妙です。老子からすれば道教は老子の思想を受けついでいない、と言うはずです。しかし、道教にとって老子は神様のような存在で、教祖なのです。


道教は、現代ではあまりメジャーではない宗教ですが、かつては仏教や儒教に匹敵するほど大きな宗教団体でした。道教はもともと、中国古代の母系氏族社会で自然発生した原始宗教で、それに老荘思想や儒教や仏教などを取り入れて広まっていった宗教です。


芥川龍之介は、この道教が発祥の「仙人」にかなりこだわっているようで、「杜子春」という話しも、仙人になるための修行が話の中心になっています。


この「仙人」という短い話は、オチがどーなるんだろう、という期待を抱かせるのが上手いなあ、と思います。
この少年が、僕はどうも好きなんですが。
ほんとうに仙人になりたい、という少年。




https://akarinohon.com/migration/sennin2.html (約20頁 / ロード時間約30秒)










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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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