ファウスト(27) ゲーテ

FavoriteLoadingお気に入りに追加

今日はゲーテの「ファウスト」その(27)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
前回、恋人のマルガレエテとの縁を失った主人公ファウストが、「草花咲ける野」にてうなだれていました。これはどうも作者のゲーテの姿にも重ね合わされる場面のようです。伝記を調べてみると「若きウェルテルの悩み」というのを書いたのちのゲーテが厳しい事態に直面していたようで、前回のファウストはその頃の作者の心情と近いものがあるんじゃないかと思いました。
 
 
「草花咲ける野」というのがまるで天界のように美しい場で、そこには精霊やエルフというものまで居るんです。当時ドイツでは、ファウストを愛読した少年たちが恋人と別れたあとに、また新しい恋を求めてこういう「草花咲ける野」に集まっただろうなと思います。どこかフランスの恋愛映画のような気配がありました。
 
 
アリエルというのがこう歌うんです。

あれが胸のおそろしい闘を鎮めて遣れ。
身を焼くやうに痛い、非難の矢を抜いて遣れ。
これまでに受けた怖を除けて胸を浄めて遣れ。
夜の暇には四つの句切がある。
今すぐにその句切々々を優しく填めて遣れ。
先づあの頭にそつと冷たい枕をさせて、
それから物を忘れさせるレエテの水の雫に浴(ゆあみ)させて遣れ。
そこで疲が戻つて静かに夜明を待つうちに、
引き弔(つ)つてゐた手足のあがきが好くなるだらう。
 
 
 
レエテ(レーテー)の水というのは、おそらくこれのことです。多くの文学者や哲学者が、忘却について思索したのでした。
 
 

 
 
以下の「シンプル表示の縦書きテキスト」をご利用ください。(縦書きブラウザの使い方はこちら
https://akarinohon.com/migration/faust27.html
(約20頁 / ロード時間約30秒)
モバイル対応テキスト版はこちら
 
 
 
 






明かりの本は新サイトに移行しました!

URLの登録変更をよろしくお願いいたします。



明かりの本 新サイトURL

https://akarinohon.com

(Windowsでも、なめらかな縦書き表示になるように改善しました!)

appleのmacやタブレットやスマートフォンなど、これまで縦書き表示がむずかしかった端末でも、ほぼ99%縦書き表示に対応し、よみやすいページ構成を実現しました。ぜひ新しいサイトで読書をお楽しみください。











 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

縦書き文庫の装画
装画をクリックするか、ここから全文を読んでください。 (使い方はこちら) (無料オーディオブックの解説)
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約10秒)
 
『ゲーテ詩集』全文を読むにはこちらをクリックしてください













top page ・本屋map ・図書館link ★おすすめ本 ★書籍&グッズ購入 





 


Similar Posts:

    None Found