神曲 地獄(8) ダンテ

FavoriteLoadingお気に入りに追加

今日はダンテの「神曲 地獄篇」第八曲を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
聖書のルカ福音書には「人を裁くな。そうすれば、あなたがたも裁かれることがない。人を罪人だと決めるな。そうすれば、あなた方も罪人と決められることがない。許しなさい。そうすれば、あなた方も許される」という言葉があるんですよ。ところがダンテは、政界を追放されたという個人的な恨みというのがあって、これをもとに政敵を地獄へ、味方を天堂へと配置したということが指摘されていて、哲学者の西田幾多郎は評論でこれを「公平では無い」というように記しています。
 
 
この神曲というのは不思議な本で、そもそも原題は「神曲」ではなくて「こうごうしい喜劇」という意味のLA DIVINA COMMEDIAという名前なんです。「神曲」というのは日本人がつけたタイトルなんです。ダンテはこの物語を、とほうもない喜劇だと宣言しているんですよ。自分はこのまえ3冊の翻訳を手もとに置いてちょっと読み比べてみたんですけど、ほんとに翻訳者によって印象がまったく違います。
 
 
特に第七曲での地獄の描写がまったく異なるんです。寿岳文章氏の翻訳ではいかにも恐ろしい描写が克明に綴られていてまさに地獄絵図で恐怖小説のように迫力があるんですが、山川丙三郎の翻訳では「悲しき小川は……ひとつの沼となれり」とか「憂ひの都……憂ひの民」というように哀れさが印象的に迫ってきます。山川訳はかなり読んでゆくのがむつかしいんですけど、もっともダンテの文学性に近いんじゃないかなと思っていま読んでいます。周辺が海に囲まれたイタリアの、その山辺であるフィレンツェの文学者という感じがすごくして、外部へ向かうというときに海と沼と舟というのが繰り返し描かれます。
 
 
今回の第八曲では、ダンテと師がステュクスの沼を渡りきり1000人もの悪魔たちに囲まれながらも、憂いの市へとどうしても入るのだと宣言するんですが、さすがに政変に巻きこまれて危うい目にあってきた元政治家の文学者だなと思いました。困難が近づいてきたら普通なら避けるべきだと思うんですが、ダンテはそういう危機に直面してゆくという描写をするんです。



 
 
以下の「シンプル表示の縦書きテキスト」をご利用ください。(縦書きブラウザの使い方はこちら
https://akarinohon.com/migration/dante1_08.html
(約30頁 / ロード時間約30秒)

★シンプル表示の縦書きテキストはこちら 横書きはこちら
 
 
全巻通読はこちら
https://akarinohon.com/dante/
 






明かりの本は新サイトに移行しました!

URLの登録変更をよろしくお願いいたします。



明かりの本 新サイトURL

https://akarinohon.com

(Windowsでも、なめらかな縦書き表示になるように改善しました!)

appleのmacやタブレットやスマートフォンなど、これまで縦書き表示がむずかしかった端末でも、ほぼ99%縦書き表示に対応し、よみやすいページ構成を実現しました。ぜひ新しいサイトで読書をお楽しみください。











 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

縦書き文庫の装画
装画をクリックするか、ここから全文を読んでください。 (使い方はこちら) (無料オーディオブックの解説)
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約10秒)
 
『ゲーテ詩集』全文を読むにはこちらをクリックしてください













top page ・本屋map ・図書館link ★おすすめ本 ★書籍&グッズ購入 





 


Similar Posts:

    None Found