狂言の神 太宰治

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今日は太宰治の「狂言の神」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
このまえ読んだ現代小説で「一」と「ハジメ」という名前の独特な暗さをもった主人公が描かれていたんですが、おそらくこの太宰治が描いた「笠井一」が原典になっていると思いました。いや偶然一致しただけかもしれないんですが。ほぼ確実に太宰治の小説を想起して書いたんだと思います、たぶん。太宰はすごく有名な作家ですし。
 
 
その笠井一のもともとのモデルはだれかというと、作家本人だそうです。これは作中にもそう記されています。笠井一というのはじつは作者の太宰本人なんだと吐露するシーンがあります。
 
 
この作中で太宰治は、森鴎外のことを書いているのですが、森鴎外の小説を愛読し続けていた太宰は鴎外の墓を見て、「ここの墓所は清潔で、鴎外の文章の片影がある。私の汚い骨も、こんな小奇麗な墓所の片隅に埋められたら、死後の救いがあるかもしれない」と書き記しています。これを記憶していた親戚が、太宰の墓を鴎外のすぐそばにたてたそうです。
 
 
この小説は狂言のように見せかけて書いているのですが、調べてみると、じっさいに起きたことばかりを書いていました。新聞社に就職できなくて困っていたこと、それから昭和5年11月に太宰治は、田部シメ子という女性を過失によって亡くされていて、このことも作中に明記していました。二十七歳の作品とはとても思えなかったです。現代で言うと七十代の男性を描いた作品でこれに似た内容があったのですが。太宰はこの一二年後の戦後すぐの1948年に亡くなるのですが、どうも肺結核が悪化して喀血したのが主な理由なのではないかと自分は想像しました。同時期に織田作之助が肺結核で亡くなられています。
 
 
太宰は作中で、深田久弥という五歳ほど年下の山岳作家に逢いに行くんですが、これも実話です。私小説というか随筆のようになっています。太宰はまた、井伏鱒二を尊敬しているということを記しています。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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