神曲 地獄(24) ダンテ

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今日はダンテの「神曲 地獄篇」第二十四曲を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回は、盗賊がですね、毒蛇に襲われるという描写でした。これもどうもこう、なにかこう合法ではあっても人の創った物を盗んでばかり居る自分にはどうも身に覚えがあるような描写だと思いました。どうもダンテの神曲地獄篇を読んでいて、裁かれる側として読んでしまうんですが、他の人はどう読むんでしょうか。
 
 
ダンテはゲーテとはちがって、自然描写の少ない作家だと思うんですが。今回はかなり自然のことをがっちりと描いていました。干し草を求める農夫のちょっとした困窮と、太陽と霜の関係性と、太陽が冷気を追いはらってくれてそこに希望を見いだして、農夫は羊たちを放牧する仕事にかかる。ごく短い描写でしたが、地獄の中で思いおこされたこの農民の描写が美しかったです。山川訳はこうです。

 
貯藏(たくはへ)尽きしひとりの農夫、おきいでゝながむるに、野は悉く白ければ、その腰をうちて
我家にかへり、かなたこなたに呟くさまさながら幸なき人のせんすべしらぬごとくなれども、のち再びいづるにおよびて
世の顏束の間にかはれるを見、あらたに望みを呼び起してつゑをとり、小羊を追ひ牧場にむかふ 

 
今回、蛇の巣という恐ろしい現場で、不死鳥(フェニックス)のごとく不可思議な転生をくりかえす罪人たちが描かれていたんですよ。それはじつに奇妙な描写でした。古事記のような、非常に神話的な描写です。地獄の蛇に噛まれると、たちまち灰になって崩れ落ちるのですが、その灰がふたたびよりあつまって生きかえるという描写なんです。山川訳はこうです。
 
 
彼は忽ち火をうけて燃え、全く灰となりて倒るゝの外すべなかりき
彼かく頽(くづ)れて地にありしに、塵おのづからあつまりてたゞちにもとの身となれり
名高き聖等(ひじりたち)またかゝることあるをいへり、曰く、靈鳥(フエニーチエ)はその齡(よはひ)五百年に近づきて死し、後再び生る
この鳥世にあるや、草をも麥をも食まず、たゞ薫物の涙とアモモとを食む






 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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