放浪記(初出) 林芙美子

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今日は林芙美子の「放浪記 初出」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
前回、「放浪記・新版」というのを紹介したんですが、今回は初出版です。内容はほぼ同じなんですが、初版のほうが、日記に近い形式になっています。とにかく読んでいておもしろいです。ちょうど震災の時期と重なる日本の情景が描かれます。日本各地を転々とした林芙美子の人生が描かれます。芙美子は19歳から文学的な日記を書きはじめるんですよ。貧困と共にある、ひょうひょうとした生活が描かれます。
 
 
これ新版と比べると、あとから書き直した作品のほうが確かに良いなあと思いながら読んでいました。ちょっとNHKの朝の連続テレビ小説みたいな雰囲気があるんですが、貧困と共にあって、しかしみずみずしい生活が描かれます。
 
 
どこかこう新藤兼人監督の映画「裸の19歳」に共通するところがあるなと思いました。「裸の19歳」は、永山則夫少年が幼い頃から貧しさの中で生きのびてきて、戦後10年以降のことですから、米を食う金が無いというような貧しさは幼い頃だけで、問題となっていたのは、未来がまったく見透せないという貧しさなんですけど。一家が離散するような状態になっていたんですよ。もともとはリンゴ農家だったんですが、ギャンブルと放蕩生活で父が破産してしまった。それで家がむちゃくちゃになってしまった。永山青年は、東京に出てきて働くんですけど、どうにも未来の予想図が立てられない。ふつうなら「最終的には、ふるさとの農家をつごう」というはっきりした計画を立てられるんですけど、永山則夫青年はそういうわけにもいかなかった。故郷の家はもう駄目になっていたからです。林芙美子の場合は、震災による転居生活と独立した労働とで、若々しい力があるんだけど、どうも未来の安定を掴んでゆくことがむずかしい。そういったゆきづまりの感覚が文学に昇華していきます。
 
 

 
 
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 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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