菜の花 長塚節

FavoriteLoadingお気に入りに追加

今日は長塚節の「菜の花」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは長塚節の、奈良と京都へいった時の随筆です。今回は旅の終わりの、宿を出てゆくところから記しているんですが、その宿のようすやなりわいの、細部を非常に丁寧に描いていてリアリティーのある随筆です。長塚はまず京都はさびしく侘びしいもんだなと、記します。京都旅行の最後に、二条あたりから島原を通り壬生寺にむけて巡ってみたようで、ちょうど百年前の京都がどうなっていたのかうかがえておもしろかったです。
 
 
島原を出るとそのすぐ先が田畑で、菜の花が咲いている。遊女たちをひと目見ようと黒山の人だかりができている。最上の遊女である太夫はあざやかに着飾っていて、肌は足の指の先くらいしか見えない。しかしそれでもなんともいえないみやびを感じる。青年長塚節は、遊女たちが歩いて行く先に、一人の乞食が土下座をして物乞いをしているのに気づき、おもわず小銭を投げわたした。遊女たちもおもわず喜捨した。ものもらいはそうとうな金がわっと入ってきた。この思わずやった、遊女たちと同じ行為が、なんとも言えずゆかいだった。なぜそれがゆかいだったのか、長塚節はその理由を記していないんですが、そのシーンを映像で想像してみると、なんだか花咲かじいさんのように自分の撒いた灰が、群衆の中でわっとふくらんでゆくような展開で、たしかにそうとう気持ちが良かったんだろうと思いました。
 
 

 
 
以下の「シンプル表示の縦書きテキスト」をご利用ください。(縦書きブラウザの使い方はこちら
https://akarinohon.com/migration/nanohana.html
(約10頁 / ロード時間約30秒)
★シンプル表示の縦書きテキストはこちら
 
 
 
 






明かりの本は新サイトに移行しました!

URLの登録変更をよろしくお願いいたします。



明かりの本 新サイトURL

https://akarinohon.com

(Windowsでも、なめらかな縦書き表示になるように改善しました!)

appleのmacやタブレットやスマートフォンなど、これまで縦書き表示がむずかしかった端末でも、ほぼ99%縦書き表示に対応し、よみやすいページ構成を実現しました。ぜひ新しいサイトで読書をお楽しみください。











 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

縦書き文庫の装画
装画をクリックするか、ここから全文を読んでください。 (使い方はこちら) (無料オーディオブックの解説)
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約10秒)
 
『ゲーテ詩集』全文を読むにはこちらをクリックしてください













top page ・本屋map ・図書館link ★おすすめ本 ★書籍&グッズ購入 





 


Similar Posts:

    None Found