女の自分 宮本百合子

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今日は宮本百合子の「女の自分」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ごく普通の人が、とくに女性がどうやって良い随筆を書いたりすてきなお話しができるようになるか、ということを作家の宮本百合子が記しています。
 
 
ある田舎の洋服屋の弟子だった男が召集を受けて、やっと戦地から帰ってきて元の仕事に戻れるとなったら、こんどはみずから東京に行ってしまった。娘さんとしては、やっぱりその弟子だった男が勝手に店を辞めて東京に行ってしまって、その下働きを自分がしなければならなくなったことが許せなくて腹を立てていて、そのことを書いた。宮本百合子は、約束を破ってそうそうに店を辞めて都会に出てしまった男についてこう書いています。
 
 
  いい事でないと知りつつそういう風に行動してゆく若い帰還兵の気分には、時代的なものがつよくあって、そのことのなかに何か今の若い者の哀れな不安や動揺もある。
 
 
これはいつ書かれたのかちょっと調べても正確なところが判らなかったんですが、戦後数年目の1940年代後半くらいなんでしょうか……。あるいは1930年代かもしれないんですが。宮本百合子はなかなか手厳しくて、相手側がどういうわけで勝手に東京に去ってしまったのか、そこのところを捉えないと、随筆として上手く無いと言うんですよ。自分の今いる立場を超えて、大衆や他人の状況を理解してゆくという。
 
 
わかっちゃいるけど、そんなむずかしいことそうそうできないと思いました。なにか腹の立つことについてとらえてゆくときに、自分の苦を見つめるだけで無しに、大衆や世相についても見てはどうかと提案されています。宮本百合子はこう書いています。
 
 
  全体の人間関係のいきさつを、今日の世相の一つの姿として理解したら、その娘さんは自分を不快におとしいれた一波瀾から心持の上で何か豊富なものをえてもこられるのではなかったろうか。
 
 
また、こう書いて締めくくっています。
 
 
  自分の行動、感情のいろいろを、ますます自分にはっきりした責任あるものとさせながら、そのような自分の行動、感情の明暗にかかわってきている社会的なものを見て、ひとの生きてゆく有様にも一層深い真情にふれた理解と興味とを抱き得るように…………
 
 
くわしくは原文をお読みください。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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