草枕(7)夏目漱石

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今日は夏目漱石の「草枕」その7を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回の章では、ごく普通の旅模様が描かれているんですが、夏目漱石はなんというか、サービス精神も旺盛なんだなあと思いました。娯楽として機能するように周到に工夫されているように思いました。ほんとうに、漱石が作りあげた幻想的な宿に、泊まっている感覚を満喫できるんですよ。しかもそれが、自分の実体験よりも色濃い記憶として残ります。カナダのピアニスト、グールドが「草枕」を愛読しつづけ「これは二十世紀の小説の最高傑作のひとつだと、私は思います」と言ったのもじつに頷けると思いました。
 
 
主人公の男はこういうことを思索します。ミレーのオフィーリアという絵画に対して、どのように興味を惹かれるのか、そこに苦から解放された者の姿があるからだろうと、いう考察があり、もし自分が、あの神話的なオフィーリアを自分なりに描くとしたら、どのように描くかと言うことを、男は考えている。
 
 
本来なら恐ろしいはずのものを、そうでなく美しく描くという画家たちのまなざしが文章化されています。「春の水なら苦はなかろ」という一文が印象に残りました。老子の思想に近いというか、生死や苦に囚われないような意思があって、魅了されました。
 
 
それから、湯のなかで、女に出逢うという幻想的な描写があって、じつに良かったです。主人公は画家として、霧にけぶる女の姿に魅了されているんですが、前田青邨の「浴女群像」という名画を見たときの衝撃を彷彿とさせる描写でした。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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