坊っちゃん(6) 夏目漱石

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今日は夏目漱石の「坊っちゃん」その(6)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
この「坊っちゃん」は、文体に勢いがあって、これが現代的な口語文で書かれた小説の最初のものだとはとても思えませんでした。この作品よりも前に、口語文で書かれた小説はほとんど無いそうなんです。それ以前だと、二葉亭四迷の「浮雲」とか森鴎外の「舞姫」とかになるんですが、読んでみると全く現代小説とはかけ離れているんです。
 
 
主人公は、いろんな人とぶつかっています。兄弟ともぶつかり、親ともケンカして、勤め先の教頭ともぶつかって、生徒たちとも大いにやりあって、さらに仲間のはずの同僚教師、山嵐(堀田)とも小さいところでぶっつかっています。なんでもかんでも岩が木にぶつかるみたいに衝突しています。
 
 
しかしそういえば、会社に勤めはじめる時って、たしかにこうだったと思います。無駄にぶつかっていては仕事にならないと気づくのが1年後くらいで。
 
 
主人公は同僚の山嵐(堀田)に「おまえに小銭をおごられたのが、じつにがまんならん」とか言うんですよ。竹を割ったような性格というか。うらなり君、というのが教師連中の中で、じつに奇妙な立ち位置の男で、なんだかいつも変に気の毒な状況になっていて、他の人とちがう。
 
 
ところで、コンニャク版というのは、ガリ版よりもさらに昔の印刷ほうで、こんなのです
 
 
校長先生(タヌキというあだ名です)に対するちょっとした苦情が書かれていて、おもしろかったです。「生徒の不始末は、私の不始末」と言いはじめた校長に、主人公の男はこう考えます。
 
 
  人のしりを自分で背負しょんで、おれの尻だ、おれの尻だと吹き散らかす奴が、どこの国にあるもんか、狸でなくっちゃ出来る芸当じゃない。
 
 
引責辞任だ謝罪だという、ややこしい場面になって来ると、意外と山嵐という乱暴な男が、主人公坊っちゃんの味方をするということが判ってきます。坊っちゃんが会議でなにかを言うと、常になぜだか笑われてしまう、という奇妙な状態なのでした。
 
 

 
 
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 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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